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ソニーの21年度業績、売上高と利益で過去最高にイメージセンサーの投資を増加(2/2 ページ)

ソニーグループは2022年5月10日、2022年3月期(2021年度)通期の連結業績を発表した。売上高は前年度比で10%増となる9兆9215億円、営業利益は同26%増となる1兆2023億円で、いずれも過去最高を更新した。映画分野とエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューションズ(EP&S)および音楽分野で大幅な増収があった。

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デジタルカメラと産業機器向けイメージセンサーの販売が好調

 イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野の売上高は、前年度比で6%増となる1兆764億円だった。デジタルカメラおよび産業機器向けのイメージセンサーの販売数の増加により増収となった。その影響で、営業利益は前年度比で97億円増となる1556億円となった。


イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野の業績と2022年度通期の見通し[クリックで拡大] 出所:ソニー

 同セグメントの2022年度の業績見通しは、売上高が前年度比で37%と大幅増となる1兆4700億円、営業利益は444億円増の2000億円とみている。

 十時氏は、「2021年度は、顧客基盤の拡大および多様化と、数量シェアの回復には一定の成果を挙げることができたものの、中国スマートフォン市場の停滞により厳しい事業環境となった」としつつ、2022年度以降に発売されるハイエンドスマートフォンなどでは、各メーカーがCMOSイメージセンサーの大型化や高付加価値化に再び注力する傾向が顕著であることから、モバイルセンサー市場の成長加速への期待感を示した。「ミッドレンジの機種でも画質を追求する動きが出てきており、さらにシェアを拡大できる余地があると見込んでいる」(同氏)

 中国のスマートフォン需要の今後の見通しについては、「流通在庫も含め、中国市場は在庫が重いという認識をしている。2022年度の後半には正常化してくれればいいという前提で考えている」と十時氏は述べた。「需要の変動に対応できるよう在庫も確保した上で、設備投資のタイミングをしっかり考慮し、バランスを取りながら計画を立てていきたい」(同氏)

 また、デジタルカメラ/産業機器向けでの安定した成長や、車載向けでの大幅な成長があることを踏まえ、第4次中期経営計画期間(2021〜2023年度)におけるI&SS分野の売り上げ成長率見通しを、年平均で約20%に上方修正した。設備投資も、約7000億円から約9000億円に増額する計画だ。


イメージセンサー事業の設備投資額の推移[クリックで拡大] 出所:ソニー

 十時氏は、第4次中期経営計画の進捗についても言及した。同氏によれば、ソニーの重点投資領域に据えるゲーム&ネットワークサービス(G&NS)、音楽、映画、I&SSの4つの分野が成長をけん引し、売上高が当初の計画よりも高い成長カーブにあることから、調整後EBITDA(3年間累計額)について、目標の4.3兆円に対し14%増となる4.9兆円を見込んでいる。


第4次中期経営計画の進捗[クリックで拡大] 出所:ソニー

 なお同氏はウクライナ情勢にも触れた。十時氏によれば、ソニーグループにおけるウクライナおよびロシアでの事業規模は、2021年度連結売上高の0.7%程度だという。「これらの地域に限れば、業績への影響は限定的だが、今後の世界経済への影響を注視している」(同氏)

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