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半導体産業、2022年には6000億ドル規模と予測前年から最大10%成長

半導体産業を“基幹産業”と見なす予測が増えていることから分かるように、近年、半導体は、食品や電力、輸送に迫る重要な産業になっている。世界半導体市場統計(WSTS)は、「2022年の世界半導体市場は、ロジックチップとセンサーチップの需要が2桁増加する見通しで、前年比8.8%増となる6010億米ドルに成長する」と予想している。

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 半導体産業を“基幹産業”と見なす予測が増えていることから分かるように、近年、半導体は、食品や電力、輸送に迫る重要な産業になっている。

 米国EE Timesは50年前の創刊時に、この事実を認識していた。米国で誕生した半導体産業は、半世紀後の1990年代にアジアへの流出が始まったが、徐々に米国に戻ってきている。米国の半導体メーカーが半導体製造の覇権を譲り渡したのは大いなる誤算であったと気付くのにパンデミックが必要になろうとは、誰にも分からなかった。

2022年はロジックとセンサーの需要が2桁増に

 市場予測によれば、2022年は、自動車の電子コンテンツの増加とモノのネットワーク(NoT:Network of Things)にけん引される需要に対応するために、米国に事業を移転させるメーカーが急増するという。例えばDeloitte Tohmatsu Consultingは、「2022年の世界の半導体産業は最大で10%成長し、売上高が初めて6000億米ドルを超える見通し」と予測している。

 こうした強気な予測は、他の予測とも一致している。例えば、世界半導体市場統計(WSTS)は、「2022年の世界半導体市場は、ロジックチップとセンサーチップの需要が2桁増加する見通しで、前年比8.8%増となる6010億米ドルに成長する」と予想している。

 これらの予測は、2020年初頭にパンデミックが始まって以降、フィラデルフィア半導体指数が117%上昇したことを反映している(ただし、フィラデルフィア半導体指数は2022年1月18日の週、3カ月ぶりの低水準を記録し、楽観的な予測が弱まっており、業界アナリストは確実な予測を立てられなくなっている)

 その一因は、TSMCやSamsung Electronics、Intelなどのファウンドリーリーダーが国内生産の増強に要する期間が読めないことにある。これら企業が米国の新しい工場を稼働できるのは早くて2023年になる見通しで、半導体不足は2023年前半まで続く可能性が高い。

 FordやTeslaなど、痛手を受けた自動車メーカーはそれぞれ、ファウンドリーと契約を結んだりチップを再設計したりすることで対応してきた。Fordは2021年12月にGlobalFoundriesと半導体供給に関する提携を結んだと発表したが、詳細については両社ともにまだ明らかにしていない。Teslaは、現在も続いている半導体不足を乗り切るためにファームウェアのコードを書き換えたと報じられている。

唯一確かなのは、「不確実性が続く」こと

 業界筋のほとんどが、2022年の半導体分野で唯一確かなのは、「不確実性が続くこと」だと認めている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新たな変異株によって、サプライチェーンがさらに混乱する可能性や、政治的な行き詰まりの深刻化によって、国内の半導体生産の活性化に向けて設計された米国の法案の可決が遅れていることなど、さまざまな不安要素がある。

 もう1つの“ワイルドカード”は、中国が世界のファウンドリーの中心地である台湾に対抗する動きを見せるかどうかである。

 確かなのは、半導体技術が戦略的資産として浮上してきたということだ。その現実は、別の統計にも表れている。Deloitte Tohmatsu Consultingは、TSMC、Samsung 、Intelが2023年までに米国の工場建設に2000億米ドル以上を投資すると予測している。

 米議員たちが、さらに数十億ドルの税制優遇措置や研究開発投資で追随するかどうかは、まだ分からない。一方、米国の半導体資金調達を推進するためのロビー活動団体は2021年に提出されたチップ関連法案の推進に全力を挙げている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Time Japan】

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