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GF、半導体の米国製造に向け国防総省と協業へ1億1700万ドルのパートナーシップ

GlobalFoundries(GF)は2022年5月2日(米国時間)、米国国防総省(DoD)と1億1700万米ドル規模のパートナーシップを結んだことを発表した。GFは、国家安全保障システムにとって極めて重要となる米国製の半導体の再供給において国防総省を支援するという。

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 GlobalFoundries(GF)は2022年5月2日(米国時間)、米国国防総省(DoD)と1億1700万米ドル規模のパートナーシップを結んだことを発表した。GFは、国家安全保障システムにとって極めて重要となる米国製の半導体の再供給において国防総省を支援するという。

 この官民パートナーシップによって、国防総省の「大統領令14017」の下、GFは45nm SOI(Silicon on Insulator)プラットフォームで製造した半導体を国防総省に供給できるようになる。

 それに向けて、GFは、製造業務をニューヨーク州イーストフィッシュキルにある「Fab 10」から「Fab 8」に移転する。同社はプレスリリースで、「Fab 10をonsemiに譲渡した後も、45nm SOIプラットフォームを顧客に提供し続けることができるという点で、当社の製造業務にとってこの移転は有益である」と述べている。

 GFによると、この契約を受けて生産する最初のチップは、2023年中に納品する予定だという。

 GFは、「本パートナーシップによって、米国政府は国家経済を強化すると同時に、航空宇宙や防衛、その他のミッションクリティカルな用途に必要となる半導体の戦略的かつ信頼性の高い供給を確保することができる」と主張している。

 これは、520億米ドル規模の「CHIPS(Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductors) Act」の可決に向けて議員と半導体メーカーが新たな動きを見せていることを考えると、時宜にかなっていると思われる。

 議員らは2022年4月、「商務省が以前に発表したデータによると、世界の半導体生産の70%以上をアジアが占め、米国での生産はわずか12%である。国内の生産力の不足は、“経済および国家安全保障の脆弱性”をもたらす」と議会に訴えた。

 ホワイトハウスは同月、「半導体の供給が大きく中断すると、米国経済が歴史的なダメージを受ける可能性がある。これは、半導体不足によって米国の自動車産業が現在受けているダメージよりもはるかに大きく、世界の競合国に対する技術的競争力と軍事的優位性が損なわれることになる」と述べている。

 米国の市場調査会社であるTirias Researchの創設者で主席アナリストを務めるJim McGregor氏も、「国内の生産力の不足は、米国経済と安全保障に災いをもたらす」と警告している。

 McGregor氏は米国EE Timesのインタビューで、「半導体製造能力の50%以上が、共産主義政権の脅威にさらされている地域にあるという事実を考えてみてほしい。これは恐ろしいことで、5年前よりも事態は悪化している」と語っている。

 「ここ数年は特に地政学的な要素が不透明であり、(生産能力の)バランスを再考することが必要だ。例えば(供給量が)需要を上回ったとしても、他の地域、特に欧州と北米に製造能力を増やすことが重要になるだろう」(同氏)

 GFのFab 8では、米国輸出管理規則(EAR)と国際武器取引規則(ITAR)の両方に準拠し、航空宇宙/防衛用途や、その他の重要インフラ用途に向けた半導体の提供に重点を置く計画だ。GFは現在、Fab 8の機密性確保に向けて取り組んでいるさなかだ。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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