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6G成功にはミリ波帯5Gのインフラ普及が不可欠:Qualcommが提唱(2/2 ページ)
Qualcommは、メディア向けラウンドテーブル「Qualcomm NOW」を東京都内で開催し、ミリ波帯5G(第5世代移動通信)の市場動向やQualcommの新たな取り組みなどを説明した。
ミリ波帯5Gは混雑した場所でも、一定のダウンロード速度を維持
続いてPhilippe Poggianti氏が、世界市場における「ミリ波帯5Gの動向」について、代表的な事例を交えて紹介した。市場で30%のシェアを有する英国の通信業者の場合、ホットゾーンにミリ波帯5Gの基地局を2000カ所設けたところ、24%のユーザーが常時使えることが分かった。しかも、4.8年という短い期間で投資を回収できるという。
この他、「情報通信技術(ICT)を活用したスマート農業」や、「大規模なイベントのライブ中継」「鉄道車両のメンテナンス」といった用途で、「高速かつ大容量、低遅延」というミリ波帯5Gを導入し、成果を上げている事例を紹介した。また、スループットの優位性も具体的に示した。混雑した場所ではダウンロード速度が低下するが、ミリ波帯5Gでは混雑した場所でも、ミッドバンドの混雑していないときの通信速度を維持できるという。
さらに、日本におけるミリ波帯5Gの通信性能も分析。2019年4月時点に比べ、2022年4月はダウンロードのピーク速度が66%も改善していることを明らかにした。
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