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ADASで要求増の車載PoC用インダクター、TDKが展示テクノフロンティア 2022(2/2 ページ)

TDKは「TECHNO-FRONTIER 2022」(2022年7月20〜22日/東京ビッグサイト)に3年ぶりにリアルで出展し、最新の製品群から注目の製品などを展示した。

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「何でもスピーカーにする」ための圧電素子

 ユニークなところでは、圧電セラミックスを応用したスイッチ「PiezoTap」や、スピーカー用圧電素子「PiezoListen」を展示していた。PiezoTapは、スマートフォンやウェアラブル機器のタッチ操作に向けたもの。圧電体に加えられた力を電圧に変換するPiezoTapは、現在スマートフォンなどに搭載されている静電容量方式のタッチパネルとは異なり、手袋をした指やペン、爪などでもタッチ操作が可能だ。「生産ラインでは手袋をしていることも多く、手袋をしていてもタッチ操作できる技術はニーズがある」とTDKは説明する。

 PiezoTapでは、「小型化と高感度をいかに両立するかで苦労した」と話す。TDKが強みを持つHDDのアクチュエーターの技術を応用することで、7×7×0.2mmと非常に小型ながら、作動力(スイッチがオンになる押し応力)は、機械式スイッチの0.5N(最小値)に比べ、0.3N(最小値)と、より低い値を実現した。

「PiezoTap」のデモ。爪でもペンでもしっかり反応した[クリックで拡大]

 PiezoListenは、厚みが約0.49mmと極薄のスピーカー用圧電素子だ。電圧を加えると変形する圧電の性質を利用して、板材などをさまざまな周波数で振動させて音を出す。デモでは、PiezoListenを薄い板に複数個貼り付け、スピーカーとして音楽を流していた。「低周波から高周波までさまざまな周波数で振動できるのがポイントだ。PiezoListenを貼り付ければ、いろいろな物質を簡単にスピーカーとして使用できるようになる。例えばクルマでは、天井に付けると360度のサラウンドスピーカーが簡単に実現できる」(TDK)。PiezoListenは自動車やノートPC、TVなどをターゲットとしているが、車載向けに関しては現在開発中だ。

左=「PiezoListen」の外観/右=PiezoListenを貼り付けて、スピーカーにした板材[クリックで拡大]

今後を見据えたDINレール取付専用製品

 AC-DCスイッチング電源やノイズフィルターでは、DINレール取付専用の製品を紹介した。TDKは「DINレールは欧州で主流であり、今後日本でも導入されていくとみられている」と説明する。AC-DCスイッチング電源の「DRJシリーズ」は15〜240W品をラインアップしていて、出力端子には、近年ニーズが高まっているスプリングクランプ方式のヨーロッパ端子も用意している。


展示されていたDINレール取付製品[クリックで拡大]

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