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Micron、CHIPS法成立で米国に400億ドル投資へ米国が「世界最先端のメモリ製造拠点」に(2/2 ページ)

2022年8月9日(米国時間)、世界第3位のメモリメーカーであるMicron Technology(以下、Micron)は、法案「CHIPS法(正式名称:CHIPS and Science Act)」の可決に伴い、400億米ドルを投じて米国での生産活動を拡張する計画を発表した。

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メモリの米国内生産を世界市場の10%に

 Micronは、生産の大半を台湾と中国で行っている。

 Micronによると、同社にとって次の10年で最も早く成長するメモリ市場とストレージ市場は、自動車とインダストリアルアプリケーションであるという。

 韓国のSamsungとSK hynixは、Micronの最大の競合先である。この3社はメモリ市場で圧倒的なシェアを持つが、近年、YMTCなど中国のライバル企業との新たな競争に直面している。

 ジョー・バイデン大統領は、トランプ前大統領の下で始まった中国との技術戦争を継続し、HuaweiやSMICなどの企業をブラックリストに載せている。CHIPS and Science Actは、中国に対する米国の競争力を高め、より安全な国内サプライチェーンを構築することを目的としている。

 Mehrotra氏は、「CHIPS and Science Actは、今後数十年にわたって米国の技術リーダーシップを強化/維持するための重要な第一歩だ。現在、メモリチップは50個に1個の割合しか米国内で生産されていないが、その生産は全てMicronの工場で行われている」と述べる。

 同社は、今後10年以内に、メモリの米国内生産を世界市場の10%に増加させることを表明した。

 「これは、安全なサプライチェーンを確保し、半導体のより信頼性の高い、確実な供給を実現するため、国家安全保障に大きな影響を与える」(Mehrotra氏)

 同社は近年、コスト抑制のために拡張を中止し、既存のクリーンルーム施設の改善に投資をシフトしている。

 同社は2021年、製造と研究開発に10年間で1500億米ドルを投資する計画を発表した。Micronは2022年8月9日、CHIPS and Science Actの成立がこの計画にどのような影響を与えるかについては、詳細を明らかにしなかった。

 2022年4月、同社は2025〜2026年の間に、2030年までの需要を満たすためにDRAMのウエハー能力を新たに追加すると発表している。TSMC、Samsung、Intelなどの大手半導体メーカーは、2年以上にわたって、供給を上回っている需要に対応するため、過去最高額の拡張投資を行っている。

 Mehrotra氏は、「われわれが計画している製造投資は、長期的な市場の需要に対応するために必要なものだ。間もなく、米国は再び世界最先端のメモリ製造拠点となる。この新時代の一翼を担えることを心からうれしく思う」と述べている。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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