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車周辺の移動体をリアルタイムでマップ上に表示建物の窓に設置したカメラを活用

NTTドコモ、AGC、NTTコミュニケーションズはトヨタ自動車と共同で、建物の窓ガラスに設置したカメラで撮影した移動体の映像を5G(第5世代移動通信)で伝送し、その位置を仮想空間のマップ上にリアルタイムで表示させる実証実験に成功した。

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見通しが悪い交差点などでも、危険情報を事前に予見

 NTTドコモ、AGC、NTTコミュニケーションズは2022年9月、トヨタ自動車と共同で、建物の窓ガラスに設置したカメラで撮影した移動体の映像を5G(第5世代移動通信)で伝送し、その位置を仮想空間のマップ上にリアルタイムで表示させる実証実験に成功したと発表した。このシステムを自動車に搭載し活用すると、見通しが悪い交差点などでも危険情報を事前に予見できるという。

 自動車の安全運転を支援する方法の一つとして、道路の周辺情報を仮想マップ上に再現し表示させる技術が注目されている。ただ、道路や周辺の建屋に取り付けられたカメラで、自動車や自転車、歩行者などの移動体を撮影しても、これら移動体をリアルタイムにマップ上で可視化することは、極めて難しかったという。


仮想マップのイメージ図[クリックで拡大] 出所:NTTドコモ他

 実証実験は、AGC製のガラスアンテナ「WAVEATTOCH」やNTTドコモの5Gおよび、クラウドサービス「docomo MEC」などを活用し、2022年7月3日〜9月8日にトヨタの東富士研究所内実験場(静岡県裾野市)で実施した。

 具体的には、実験場に可搬型の5G基地局1局を設置して5Gの通信エリアを構築。小型カメラ2台は、ビルの窓ガラスを模擬した高さ約8mの窓ガラス(室内側)に取り付けた。カメラで撮影したデータは、sub6帯と28GHz帯による5Gを介して、docomo MECに伝送し、AI位置情報解析機能によって移動体を判別。その後、仮想マップ上にその位置を表示した。

 実験の結果より、カメラ撮影から車載機器の仮想マップに表示されるまでの遅延時間は約0.3秒、位置情報の誤差は約30cm以下であった。GPS信号が届かないエリアでも、正確な位置情報を把握することが可能だという。これによって、走行中に自動車の死角から人や自転車などが近づいてきても、仮想マップを確認すれば移動体に気付くため、運転手は速やかに危険回避の行動をとることができるという。


上図は実験のイメージ図[クリックで拡大]、下図は実験に用いた機材と実験の様子 出所:NTTドコモ他

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