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Intel、無償のRISC-V開発支援プログラムを始動Intel Pathfinder for RISC-V(2/2 ページ)

Intelは、RISC-Vコアの幅広い採用を支持する上で重要な意味を持つ新たな一歩を踏み出した。より具体的には、IP(Intellectual Property)プロバイダーの他、オペレーティングシステムやツールチェーン、ソフトウェア関連のパートナーから成るエコシステムと共に、新たな製品開発を支援するために一元化された統合開発環境(IDE)「Intel Pathfinder for RISC-V」を立ち上げた。

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提供されるプロセッサコアとIP

 Intel Pathfinder内で提供されるコアには、MIPSのマルチプロセッサIPコアである「eVocore P8700」と「eVocore I8500」が含まれる。これらは、MIPSの製品として初めてRISC-VのオープンISA標準に基づいたコアである。Intel PathfinderのFPGA開発プラットフォームは、これらのコアをIDE内に組み込み、主要なオペレーティングシステムと業界標準のツールチェーンをサポートしている。MIPSは「これにより開発者は、機能安全(FuSa)要件が追加された自動車などのセグメント向けにプロトタイプを迅速に構築する新しい機会を得る」としている。MIPSのCEO、Desi Banatao氏は、「これは、スタートアップ企業にとってユニークで重要な機能だ。彼らはソリューションを探求し、製品市場に適合するものを見つける速度を加速できる」と述べている。

 Andes Technologyは、Intel Pathfinderの一部として、IntelのFPGA「Stratix 10 GX」搭載開発キットにおいて、同社の2つのCPUプロセッサコアが利用可能になることを発表した。64ビットのスーパースカラマルチコア「AX45MP」プロセッサIPと、64ビットのベクトルプロセッサコア「NX27V」は、いずれもAXIベースのプラットフォーム「AE350」にあらかじめ統合され、Intelの開発キットで利用可能になる予定だ。これにより、SoCの設計者は、Linux OSを起動したり、重要な計算カーネルをFPGAボードにアップロードしたりすることで、ファーストシリコン前にAX45MPとNX27Vの利点を手早く検討することができる。

 一方、Codasipは、同社の32ビットの「L31」コアが、Intel Pathfinder for RISC-VプログラムのProfessional Editionを通じて利用できるようになるとしている。ここでは、IntelのFPGAボードとIntelのソフトウェアスタックを、L31コアのビットマップファイルと組み合わせることが可能になる。これは、IoT(モノのインターネット)やエッジAI(人工知能)などのアプリケーションの開発者にメリットをもたらす。同プログラムに参加することで、Intel製FPGAを用いたプロトタイピング、生産設計、または研究目的での組み込みRISC-V技術へのアクセスが容易になるとしている。特にSoC開発サイクルの初期段階においては、アーキテクチャの検討を行い、さまざまな構成やIPの組み合わせを検討することができる。


Terasicが提供する、IntelのFPGA「Cyclone IV」をベースにしたIntel Pathfinder for RISC-V用開発キット(449米ドル)は、RISC-Vコアやその他のIPをFPGA上にインスタンス化することができる。RISC-Vコア専用で動作する128Mバイト SDRAMやRISC-VデバッグおよびFPGAプログラミング用のオンボードUSBブラスター回路、リッチマルチメディアインタフェースを備えている。[クリックで拡大] 出所:Terasic

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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