照明用半導体レーザー、2030年に8755億円規模へ:矢野経済研究所が世界市場を調査
矢野経済研究所は、照明に用いられる半導体レーザーの世界市場を調査し、その一部を発表した。出荷金額(メーカーの出荷ベース)は、2022年の5897億1000万円に対し、2030年には8755億円規模になると予測した。
高速大容量通信が可能で、秘匿性も高い光無線通信技術「Li-Fi」
矢野経済研究所は2022年10月、照明に用いられる半導体レーザーの世界市場を調査し、その一部を発表した。出荷金額(メーカーの出荷ベース)は、2022年の5897億1000万円に対し、2030年には8755億円規模になると予測した。
今回の調査は、照明に用いられる端面発光/面発光の可視光半導体レーザーを対象とした。その主な応用機器は、レーザーポインターや墨出し器、車載用ヘッドライト、プロジェクター、照明器具および、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などである。調査期間は2022年5〜9月。
レーザー照明の世界市場規模をユニット数でみると、2022年の1084万ユニットに対し、2030年には2413万6700ユニットに拡大すると予測した。半導体レーザーユニットを搭載した家庭用照明器具の普及によって、当面は市場も拡大する。普及率が高まるのに伴い、成長率は横ばいとなるが、レーザーポインターや墨出し器といったその他機器への搭載は今後も続くとみている。
矢野経済研究所は、今後の注目分野として光無線通信技術のLi-Fi(Light Fidelity)を挙げた。光を利用してデータを相互通信するLi-Fiは、高速大容量通信が可能である。可視光の照射範囲内だけで通信を行うため、秘匿性が高い。光を遮ると通信は遮断される。近年は受信デバイスを内蔵したタブレット端末なども販売されているという。スマートフォンなどに後付けのLi-Fiカバーを取り付けると通信が可能となる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 高機能フィルム市場の成長率、2022年は足踏み状態
2022年の高機能フィルム市場は、応用機器メーカーの生産調整などにより成長率が鈍化し、足踏み状態にある。今後は5G(第5世代移動通信)関連向けなどの需要が拡大し、2023年には市場が回復する見通しである。矢野経済研究所が調査した。 - LCD-TFTパネル向け偏光板、2021年比7.1%の増加
矢野経済研究所は、偏光板と部材フィルムの世界市場を調査した。LCD-TFT/AMOLED向け偏光板の2022年生産量は、6億6550万m2になると予測した。2021年に比べ7.1%の増加になる。 - 車載用LiBの廃棄量は9万トン、回収量は想定を下回る
矢野経済研究所は2022年2月15日、リチウムイオン電池(LiB)のリユースおよびリサイクル動向についての調査結果を発表した。 - 偏光板と部材フィルム市場、2022年は6億6040万m2
矢野経済研究所は、ディスプレイに用いられる偏光板と部材フィルムの世界市場(生産面積)を調査した。2022年の生産面積は6億6040万m2と予測した。2021年に比べて6.2%の増加になる。 - LiB市場、2025年に約500億米ドル規模へ
リチウムイオン電池(LiB)主要4部材の世界市場は、2020年の約233億米ドルに対し、2025年は約500億米ドルの規模に達する見通しである。矢野経済研究所が調査した。 - LiB市場、2030年には最大1809.2GWhの規模へ
車載用リチウムイオン電池(LiB)の世界市場(容量ベース)は、2020年の167.5GWhに対し、2030年は764.4G〜1809.2GWhに拡大する。矢野経済研究所が調査し、市場規模を予測した。