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CMR方式で記憶容量20Tバイトの3.5型HDDを開発:MAMR方式で記録密度を向上
東芝デバイス&ストレージは、FC-MAMR(磁束制御型マイクロ波アシスト磁気記録)方式を採用し、CMR(従来型磁気記録)方式で最大20Tバイトの記憶容量を達成したヘリウム充填(じゅうてん)3.5型HDD「MG10シリーズ」を開発した。
容量当たりの消費電力効率、前世代品に比べ約5%改善
東芝デバイス&ストレージは2022年10月、FC-MAMR(磁束制御型マイクロ波アシスト磁気記録)方式を採用し、CMR(従来型磁気記録)方式で最大20Tバイトの記憶容量を達成したヘリウム充填(じゅうてん)3.5型HDD「MG10シリーズ」を開発したと発表した。2022年10〜12月期からサンプル品の出荷を始める予定。
MG10シリーズは、FC-MAMRにより記録密度を高めた。また、独自の機構設計技術によりディスク10枚を内蔵した。これらの技術により、前世代品に比べて記憶容量は11.1%増加した。容量当たりの消費電力効率(アクティブアイドル時)は0.22で、約5%(SATAモデル)改善している。インタフェースはSATAとSASに対応した。記憶容量として20Tバイト品の他、18Tバイト品、16Tバイト品を用意している。
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