「組み込みメモリとメモリカードの中間」、キオクシアの新ストレージ製品:「業界初」のXFMD準拠デバイス
キオクシアはドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2022」(2022年6月21〜23日)に出展し、「業界初」(同社)とする「XFM DEVICE(XFMD) Ver.1.0」規格準拠のリムーバブルストレージデバイス「XFMEXPRESS XT2」のデモを展示した。
キオクシアはドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2022」(2022年6月21〜23日)に出展し、「業界初」(同社)とする「XFM DEVICE(XFMD) Ver.1.0」規格準拠のリムーバブルストレージデバイス「XFMEXPRESS XT2」のデモを展示した。
XFMD Ver.1.0は、JEDECが2021年8月に公開したPCIe(PCI Express)/NVMe(NVM Express)リムーバブルストレージデバイスの規格だ。もともと、キオクシアは2019年8月(当時は東芝メモリ)に「XFMEXPRESS」の開発について発表しており、JEDECでの規格化を経て2022年6月14日、業界で初めて同規格に準拠した製品として、XFMEXPRESS XT2を発表した。
XFMD Ver.1.0準拠のXFMEXPRESS XT2は、保守やアップグレードのために容易に交換することが可能な新しいコンセプトのストレージデバイスだ。サイズは18mm×14mm×1.4mmと小型かつ堅牢なパッケージを採用。インタフェースは、PCIe Gen4(PCI Express 4.0)×2レーン、NVMe 1.4bで、転送速度は最大4Gバイト/秒(理論値)と高速だ。
同製品は、microSDスロットのようなカードスロット(下図参照)を用い簡単に取り外しが可能で、説明担当者は、「組み込みメモリとメモリカードの中間的な製品だ」と語っていた。
ただし、SDカードのように一般ユーザーがひんぱんに出し入れするような用途を想定しているわけではなく、セットメーカーが小型ストレージとして使うことにより、設計の自由度向上や、アップグレード/保守の容易化を図ることを目的としているという。
キオクシアは、現在、256Gバイトと512GバイトのXFMEXPRESS XT2のサンプル出荷を行っているが、最大1Tバイトの容量も実現可能としている。説明担当者は、「メモリカードのように取り外しが容易で、SSDのような速度を実現し、さらに最大1TBの保存が可能という全く新しい製品だ。この製品を生かした、顧客の革新的なアイデアを期待している」と語っていた。
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