村田製作所が中国工場の建設開始、MLCC部材の生産強化へ:投資総額は445億円
村田製作所は2022年11月7日、同社の中国の生産子会社である無錫村田電子(中国・江蘇省無錫市)が、新生産棟の建設を同年11月1日に開始したと発表した。積層セラミックコンデンサー(MLCC)の中長期的な需要を見据え、MLCC向けシートの生産体制を強化し、安定的に供給することが狙いだ。
村田製作所は2022年11月7日、同社の中国の生産子会社である無錫村田電子(中国・江蘇省無錫市)が、新生産棟の建設を同年11月1日に開始したと発表した。積層セラミックコンデンサー(MLCC)の中長期的な需要を見据え、MLCC向けシートの生産体制を強化し、安定的に供給することが狙いだ。投資総額は約445億円で、完成は2024年4月を予定している。
新生産棟の建築面積は、倉庫棟なども含め1万1763m2(生産棟の建築面積は6557m2)。延床面積は5万1289m2(生産棟は2万7140m2)である。なお村田製作所の広報担当によれば、新工場完成後の部材の生産能力が、現在比でどのくらいになるかは公表していないとした。
半導体/電子部品を含めエレクトロニクス業界では、米中の対立が激化しているが、村田製作所の広報担当は「当社グループにおいて、MLCCを含めた全製品の国内生産比率は60%超である。2021年11月にはタイで、2022年3月には出雲村田製作所で、それぞれ新生産棟の建設を開始しており、中国に限らず国内外での生産拠点の強化を行っている」と語った。
【訂正 2022年11月7日 14:15 当初「2011年11月にはタイで」としておりましたが、「2021年11月にはタイで」の誤りです。お詫びして訂正いたします。】
村田製作所は2022年10月31日に開催した決算説明会で、2023年3月期(2022年度)通期の業績予想を、同年4月から下方修正している。具体的には、売上高は1兆9300億円から1兆8200億円に、営業利益は4400億円から3800億円に、純利益は3270億円から2970億円に、それぞれ下方修正した。
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