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村田製作所、22年度通期見通しを下方修正22年度中間決算は増収減益に

村田製作所は2022年10月31日、2023年3月期(2022年度)の中間決算のオンライン説明会を行った。売上高は、前年同期比1.3%増の9202億円で、同期間の過去最高を更新。営業利益は同12.2%減となる1950億円だった。

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22年度中間決算は増収減益に

 村田製作所は2022年10月31日、2023年3月期(2022年度)の中間決算のオンライン説明会を行った。売上高は、前年同期比1.3%増の9202億円で、同期間の過去最高を更新。営業利益は同12.2%減となる1950億円だった。

 売上高は、スマートフォン向けの表面波フィルターで減少したものの、円安の影響および、パワーツール向けのリチウムイオン二次電池が大きく増加し、増収となった。一方で営業利益は、スマホ/PCなど民生市場の減速を受けて操業度を引き下げたことや、エネルギー価格など固定費が増加したことにより、減益となった。

2022年度上期の業績概況(左)と、四半期の推移(右)[クリックで拡大] 出所:村田製作所

 受注については、スマホ/PC市場の減速もあり、受注減少が見られた。村田製作所 代表取締役会長の村田恒夫氏は「スマホ向けで高周波モジュールや表面波フィルターなどが減少した他、コンピュータ向けでコンデンサーやインダクターの受注減が見られた」と語った。

 事業別セグメントの売上高は、MLCC(積層セラミックコンデンサー)ではコンピュータ向けが減少したものの、円安による増収効果もありモビリティ向けで増加。前年同期に比べ、0.8%増の3965億7900万円となった。インダクター/EMIフィルターについては、モビリティ向けで増加したものの、スマホ/PC向けでインダクターが減少したため、前年同期比で5.9%減の952億円だった。大きく伸びたのはエナジー・パワーで、前述した通りリチウムイオン二次電池の伸びにより、前年同期比32.3%増となる1163億円となった。なお、リチウムイオン二次電池事業については、2024年の黒字化を計画している。今回、売上高が大幅に伸びたが、村田氏は「2024年の黒字化という計画に変更はない。部材の高騰分を価格に転嫁するまでにはどうしても期ずれが発生するので、計画通りの利益に結び付けるのはなかなか難しい」とコメントした。


事業別セグメントの売上高[クリックで拡大] 出所:村田製作所

22年度通期見通しを下方修正

 2022年度通期の業績予想については、売上高、利益ともに2022年4月の前回予測を下方修正した。売上高は1兆9300億円から1兆8200億円に、営業利益は4400億円から3800億円に、純利益は3270億円から2970億円に、それぞれ下方修正している。「スマホやPCの生産台数が大きく減少し、通信やコンピュータ向けで当社製品の売上数量の減少が予想されることから、売上高は、過去最高を更新する予測に変わりはないが、円安効果を加味しても前回予想を下回る見込みだ。利益面でも、生産高の減少に伴う操業度損が発生することから前回予想比で減益とした」(村田氏)


2022年度の業績予想[クリックで拡大] 出所:村田製作所

 設備投資についても、半導体などの部資材の不足などの影響で、設備の納入に遅れが見られることから、前回予想の2400億円から、2100億円に下方修正した。

 村田氏は需要が低迷しているスマホ/PC市場について、「中華圏ではミドルレンジおよびローエンドのスマホ需要が低迷し、これは少し長引くと見ている。需要回復は来期以降になるのではないか。PCについては巣ごもり需要が一段落し、世界的に減産となる中、市況を正確に見通すことは困難だ」と語った。

 MLCC生産の稼働率については、これまで90%の水準だったが、2022年度下期については85〜90%になる見込みだ。「来期の市場回復スピードにもよるが、堅調であれば少しずつ上向いていくのではないか」(村田氏)

 さらに、操業度損については「需要回復が見込めなければ、(操業度損の回復)はなかなか難しいが、スマートファクトリーなどの合理化も進め、利益増をねん出していく必要がある」とし、操業度損が出ても設備投資にブレーキをかける予定はないと語った。

 村田氏は「足元の事業環境は、民生市場の停滞が継続することが見込まれるが、2030年に向けてエレクトロニクス市場が拡大するシナリオに変更はない。2024年までの中期経営計画に向け各施策を実施し、需要の回復局面で好機を捉え、さらなる成長を遂げられるよう努めていく」と強調した。

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