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インタビュー

NANDフラッシュの市況は厳しいが「投資の手は絶対に緩めない」キオクシア社長 早坂伸夫氏(2/2 ページ)

2022年10月26日、キオクシアの四日市工場(三重県四日市市)に完成した第7製造棟(Y7棟)の竣工式が開催された。同日には、竣工式とともに記者説明会も開催され、キオクシア 代表取締役社長の早坂伸夫氏と、同社 常務執行役員 四日市工場長 松下智治氏が、報道機関からの質問に答えた。

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EUVの導入は

――Y7棟は、AI(人工知能)を活用し高度に自動化したスマートファクトリーということだが、どういったAI技術を活用しているのか。リソグラフィなど、工程面でのチャレンジはあるか。

早坂氏 工場内で活用しているAI技術については公表が難しいが、日々進化しているAIで製品を製造しているとだけ、申し上げたい。

 リソグラフィーについては、次世代技術として、ナノインプリント(NIL)技術の研究開発を引き続き行っている。ただし、大規模量産に適用できるまでには至っていない。EUV(極端紫外線)リソグラフィーを導入しているメーカーもあるが、キオクシアとしては今のところ導入は考えていない。

――現在、四日市工場と北上工場(岩手県北上市)で96層や112層の3D NANDフラッシュなどを製造しているが、Y7棟で162層NANDフラッシュの製造を開始した後、製品ミックスはどうなっていくのか。

早坂氏 製品ミックスについては詳細はお伝えできないが、市況を見ながら調整をかけていく。

――Y7棟と、現在稼働中の北上工場「K1棟」との大きな違いは何か。

松下智治氏 Y7棟がK1棟よりも進化している点は、設備や装置を多く設置できること、そしてK1よりも省エネが進んでいることの2点が挙げられる。

――Micron Technologyが232層、Samsung Electronicsが176層のNANDフラッシュの量産を既に開始している。キオクシアのロードマップについて教えてほしい。

早坂氏 当社に限らず、NANDフラッシュの大まかな技術ロードマップとしては、層数を増やしていくというのがあと数世代は続いていくだろう。ただ、層数をどのように増やしていくかは各社の戦略が異なるところだ。当社としては、ひたすら層数を増やすことが目的ではない。顧客からは価格面での要求が強く、それに応えるためには価格の他にも性能やスピードも考慮しながら、層数も含めた次世代3D NANDフラッシュ技術の方向性を決めていく必要がある。

上場は「適切な時期を見極める」

――円安の影響は。

早坂氏 具体的な数値としては、まだ公表できないが、プラスの影響はある。

――上場の時期については。

早坂氏 適切な時期を見極めて上場するという方針は変わっていない。


キオクシアの早坂氏(左)と常務執行役員 四日市工場長 松下智治氏(右)

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