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DNP、黒崎工場に大型メタルマスク生産ライン新設:第8世代のガラス基板に対応
大日本印刷(DNP)は、黒崎工場(福岡県北九州市)内に、有機EL(OLED)ディスプレイ製造用「大型メタルマスク」の生産ラインを新設する。投資額は200億円で、2024年上期に稼働の予定。
2024年上期に稼働の予定、投資額は200億円
大日本印刷(DNP)は2022年11月、黒崎工場(福岡県北九州市)内に、有機EL(OLED)ディスプレイ製造用「大型メタルマスク」の生産ラインを新設すると発表した。投資額は200億円で、2024年上期に稼働の予定。
DNPは、スマートフォン向けのメタルマスクを中心に、世界市場でトップシェアを獲得している。黒崎工場の新ラインは、今後需要拡大が見込まれるタブレット端末やノートPC用OLEDディスプレイに向けて、第8世代ガラス基板に対応した大型メタルマスクを生産する計画である。なお、新ラインは既に生産が終了した液晶ディスプレイ用カラーフィルターの工場建屋を活用することで、高い投資効率を実現している。
黒崎工場の新ラインが稼働すれば、同社のメタルマスク生産能力は現在の2倍以上になるという。また、メタルマスクの主要生産拠点である三原工場(広島県)をバックアップすることになり、BCP(事業継続計画)への対応強化を図る。
メタルマスクは、微細な開孔を精密に配置した薄い金属製の部材で、RGBのOLED発光材料を基板に付着させる工程で用いられる。特に、マスクを用いた蒸着プロセスでは、メタルマスク自体にも高い寸法精度が求められるという。
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