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ソニー、TSMC、東エレクが語る半導体サプライチェーン/人材戦略:日本が“世界一”に返り咲く最後のチャンス(3/3 ページ)
「SEMICON Japan 2022」の最終日である2022年12月16日、ソニーやTSMCジャパン、東京エレクトロンの幹部らがパネルディスカッションに登壇し、半導体産業のサプライチェーンおよび人材戦略について議論した。
「現役の半導体人材の発信が重要」
三田野氏は半導体業界の人材開発について、「半導体業界は何をやっているのか、どんな勉強が必要なのかが分かりにくい。半導体製造の技術者だけでなく、理系や理系女子も減っているので、半導体業界は大学と協力して学びの機会を増やさなければいけない」と述べた。
また、小野寺氏は、「半導体業界の技術革新は今後も続き、ますます重要性が増していくだろう。これだけ巨大になっても進化を続けているのは半導体業界の他に思い当たらない。ぜひとも一人でも多くの学生に半導体業界に入ってもらいたい」とアピールした。
中村氏は、「周囲から『半導体業界は世界一をもう一度取りにいくのでしょ』といわれる機会が増えて気が引き締まる思いだ。人材育成という話があるが、現役の半導体人材がさまざまな情報を発信して、輝いている姿を見せることで半導体業界を目指してくれる学生も増えるのではないか。これが今一番やらなければいけないことだと思う」と述べた。
清水氏は、「産学が連携を強化し、国も半導体業界を支援する姿勢をみせている。『(半導体の世界一を取り戻すのは)今回が最後のチャンスだ』という専門家の声もよく耳にする。半導体は最先端技術だけでなく既存の分野でも進化が望まれている。半導体業界は望まれる新しい世界を実現するために、サプライチェーン全体で連携し研究開発を進めていく」と語った。
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