ルネサス、16ビットマイコン「RL78/G15」を発売:RL78ファミリーに8端子品など追加
ルネサス エレクトロニクスは、16ビット汎用マイコン「RL78ファミリー」として、端子数が少なく小型パッケージを採用した「RL78/G15」を発売した。産業機器や民生機器、センサー制御、照明器具、インバーター機器などの用途に向ける。
動作周囲温度は最大125℃、モーターの近くにも配置可能
ルネサス エレクトロニクスは2023年1月、16ビット汎用マイコン「RL78ファミリー」として、端子数が少なく小型パッケージを採用した「RL78/G15」を発売した。産業機器や民生機器、センサー制御、照明器具、インバーター機器などの用途に向ける。
RL78/G15は、動作周波数が16MHzのCPUコアを搭載している。メモリはコードフラッシュメモリを最大8kバイト、データフラッシュメモリを1kバイト、SRAMを1kバイト、それぞれ内蔵した。動作電圧は2.4〜5.5Vに対応する。
パッケージは外形寸法が最小3×3mmのWDFNなどで供給する。端子数は8〜20端子品を用意した。電源用VDDやVSSを除き、全ての端子を汎用I/Oとして使用できるという。動作周囲温度は−40〜125℃となっており、モーターなど発熱する部品の近くにマイコンを配置することも可能となった。
RL78/G15には、精度が±1.0%の高速オシレーターを始め、CSIやUARTといったシリアルインタフェース、コンパレーターなど、さまざまな周辺機能も集積している。このため、機器の小型化や部材コストの節減を可能にした。
開発ツールとしては、他のRL78と同様に「Smart Configurator」を利用することができる。評価ボードは「Fast Prototyping Board(FPB)」を用意している。FPB上で動作するArduinoライブラリも提供する。また、動作検証を済ませた「ウィニング・コンビネーション」の1つとして、RL78/G15を用いた「最大100WのUSB PD対応マルチ出力アダプター」ソリューションなどを用意している。
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