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SiCパワーデバイスの主戦場、車載分野の強みを示すSTelectronica 2022(2/2 ページ)

STMicroelectronicsは、ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州最大規模のエレクトロニクス展示会「electronica 2022」(2022年11月15〜18日)において、同社の第3世代SiC MOSFET採用によって30%の小型化を実現したオンボードチャージャーなど、パートナーとの協業によるSiC車載ソリューションを展示した。

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自社製200mm SiCウエハー公開、「垂直統合型モデル」を強調

 STはブースにおいて、200mmの自社製SiCウエハーも展示していた。同社は2021年7月、スウェーデン拠点において試作開発用の200mm SiCバルクウエハーを製造したことを発表しており、今回展示したウエハーも同拠点の研究開発(R&D)施設で製造したものだ。なお、同社は2024年までにSiC基板の新工場を建設、SiC基板の40%以上を社内で調達するという計画を立てている。

STの200mm SiCウエハー[クリックで拡大]
STの200mm SiCウエハー[クリックで拡大]

 同社は2022年10月にイタリアにSiCウエハー工場を新設するとも発表、当面は150mmウエハーの製造を行うが、将来的には200mmウエハーへの移行も予定している。説明担当者は、「われわれはSiCの基板製造へ投資を拡大し、材料からデバイス、モジュールの製造まで垂直統合型の体制を強化している。スウェーデンはSiCのR&D拠点として新世代や新材料の研究を進め、イタリアで量産を進めていく方針だ」と話していた。

 また、GaN(窒化ガリウム)デバイスについても自動車部品メーカー、マレリとの協業によるレーシングカー用燃料噴射装置のプロトタイプを展示していた。同製品はSTのGaNパワー段、GaNドライバー、保護機能を集積した車載用SiP(System in Package)「STi2GaN」をモーター制御に活用したもので、GaNの高速なスイッチング周波数(100kHz)を生かし、モーターを高効率化。通常のシリコンデバイスを利用した場合と比較し、全体の効率を5%向上できるという。

STのSTi<sup>2</sup>GaNを搭載したレーシングカー用燃料噴射装置のプロトタイプ。手前がインバーターボード(2×5cm)
STのSTi2GaNを搭載したレーシングカー用燃料噴射装置のプロトタイプ。手前がインバーターボード(2×5cm)[クリックで拡大]

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