ST、汎用32ビットMCU「STM32C0シリーズ」を発表:8/16ビットMCUからの置換狙う
STマイクロエレクトロニクスは2023年1月、汎用32ビットマイコン(MCU)「STM32ファミリー」として最も安価な製品と位置付ける「STM32C0シリーズ」を発表した。
STの10年間長期製品供給保証プログラム対象製品
STマイクロエレクトロニクスは2023年1月、汎用32ビットマイコン(MCU)「STM32ファミリー」として最も安価な製品と位置付ける「STM32C0シリーズ」を発表した。
STM32C0シリーズは、生活家電や産業用ポンプ、ファン、煙感知器などに用いられてきた8/16ビットMCUからの置き換えを狙った製品。シンプルでエントリークラスのMCUとして、コストと消費電力を抑えながら、高速応答で拡張性に優れ、ネットワーク接続などを実現した。STが提供する産業用製品向け10年間長期製品供給保証プログラムの対象製品でもある。
STM32C0シリーズは、最大動作周波数が48MHzで、44DMIPSの命令スループットと114CoreMarkの性能/効率を達成。Runモードでの消費電流はわずか80μA/MHzである。また、サンプリングレートが1.7Mサンプル/秒のA-Dコンバーターや16ビットオーバーサンプリング用ハードウェアおよび、モーター制御用を含む複数のタイマーなどを集積した。
パッケージは、形状などにより9種類を用意している。ピン配置は「STM32G0シリーズ」と互換性があり、用途に応じてSTM32G0シリーズへの移行も容易に行うことができるという。
STM32 Nucleoボード「NUCLEO-C031C6」や、ディスカバリーキット「STM32C0116-DK」「STM32C0316-DK」といった、STM32開発エコシステムを活用することができる。さらに、MCUの初期化コード自動生成ツール「STM32CubeMX」や「Microsoft Azure RTOS」、ハードウェア抽象化レイヤー(HAL)、ローレイヤー(LL)ライブラリを含むソフトウェアパッケージ「STM32CubeC0」なども提供している。
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