ソニー新社長に十時氏、3Qはイメージセンサー増収増益:売上高、利益ともに高水準(4/4 ページ)
ソニーグループは2023年2月2日、同年4月1日付で現副社長兼CFO(最高財務責任者)の十時裕樹氏が、社長兼COO(最高執行責任者)兼CFOに昇格すると発表した。
為替好影響とデジカメ増収でET&S分野も好調
ET&S分野は、為替の好影響やデジタルカメラの増収から売上高は前年同期比10%増の7528億円、営業利益はテレビの減収の効果があったものの、デジカメの増収効果などにより同1%増の811億円となった。十時氏は、「市場の変化に機敏に対応し、景気減速やテレビなど一部のカテゴリーでの市場環境悪化の影響を最小限に抑えることで、前年度と同水準の利益を確保できた」と説明した。
また、中国での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染の再拡大によるサプライチェーンの混乱については、「販売への影響を出さない範囲でコントロールできているが、春節明けの状況を注意深く見守り、必要な対応を取る」と説明。2023年度にかけ、事業環境は一段と厳しくなると想定し、「第4四半期の販売計画をより保守的に見直すとともに、2023年度に悪影響を持ち越さないこと、事業構造のさらなる強靭化に向けた取り組みを前倒しで進める」と語った。通期の売上高見通しは、前回予想から300億円減の2兆4800億円としている。
PS5販売台数、累計3200万台を突破、22年度の販売目標も上積み
なお、PS5の生産状況については、前述の通りソニーは大幅に生産を拡大。2022年第3四半期の販売台数は710万台となり、12月末までの累計台数は3200万台を突破したという。同社は、この実績を踏まえ2022年度の通期販売台数見通しをこれまでの1800万台から100万台増の1900万台に上方修正した。十時氏は、「オペレーションの最適化によって強い需要に応え、一台でも多く販売できるように全力で取り組む」と述べた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 新BEVブランド「AFEELA」を初披露、ソニー
ソニーとホンダが共同出資するソニー・ホンダモビリティは2023年1月4日(米国時間)、米国ラスベガスにて2023年1月5日から開催される「CES 2023」への出展に先立ち記者説明会を開催し、二次電池式電気自動車(BEV)ブランド「AFEELA」を発表し、そのプロトタイプを披露した。 - ソニー、TSMC、東エレクが語る半導体サプライチェーン/人材戦略
「SEMICON Japan 2022」の最終日である2022年12月16日、ソニーやTSMCジャパン、東京エレクトロンの幹部らがパネルディスカッションに登壇し、半導体産業のサプライチェーンおよび人材戦略について議論した。 - ソニー、視力検査並みの手軽さで嗅覚測定できる装置
ソニーは2022年10月5日、さまざまなにおいのもと(嗅素)を制御し、においを提示することのできる装置「NOS-DX1000」を2023年春に発売すると発表した。嗅素を制御する独自技術「Tensor Valve(テンソルバルブ)テクノロジー」をベースに実現した。アルツハイマー病など疾患の早期発見などに有効とされる嗅覚測定を手軽に実施できる装置としての普及を目指していく。 - ソニー2Q決算は売上高、利益が過去最高を更新
ソニーグループは2022年11月1日、2023年3月期(2022年度)第2四半期(2022年7〜9月)決算を発表した。売上高は前年同期比16%増の2兆7519億円、営業利益は同8%増の3440億円となり、いずれも過去最高を更新した。円安の好影響があったほかイメージセンサーやデジタルカメラ、音楽分野などが好調だった。純利益も、同24%増の2640億円となった。 - CMOSイメージセンサーは13年ぶりのマイナス成長へ、ソニーはシェア低下?
CMOSイメージセンサー市場の行方について、最新の分析をまとめました。 - センサーの高付加価値化が業績回復のシナリオ、ソニー 清水氏
2025年度にイメージセンサーで金額シェア60%を狙うソニーグループ。同グループのイメージング&センシング・ソリューション(I&SS)事業を担うソニーセミコンダクタソリューションズは2022年6月17日、同社の厚木テクノロジーセンター(神奈川県厚木市)にてメディア向けイベントを開催。イメージセンサーのデモを一挙に公開するとともに、同社代表取締役社長兼CEOの清水照士氏が、メディアからの質問に答えた。