「業界初」10BASE-T1S用コモンモードフィルター、TDK:低容量と最高レベルのSパラメーターを両立(2/2 ページ)
TDKは2023年2月7日、車載Ethernet規格10BASE-T1Sに業界で「初めて」(同社)対応したコモンモードフィルター「ACT1210Eシリーズ」を開発し、量産開始したと発表した。
独自の巻線構造と最適材料採用、各要求特性を高レベルでクリア
ACT1210Eシリーズのライン間容量は10pF(最大値)と、同社従来品ACT1210L-201(100BASE-T1向け)と比べ、30%の低減に成功した。これは、OPEN Allianceが制定した規格書における要求特性のクラス1〜4(4が最高)のうち、クラス3に該当するという。
また、Sパラメーターの要求特性は4項目あるが、パス/フェイル判定の「Return loss」「Insertion loss」は両方ともパスし、1〜3のクラス分け判定の「Common mode rejection」「Differential to common mode rejection」は、どちらも最高のクラス3を達成している。
説明担当者は、「低い容量かつ良好なSパラメーターを両立することがコモンモードフィルターの設計の難しさだが、当社は、ワイヤの位置関係の工夫などによる、独自の巻線構造と最適な磁性材の選定によって、高い水準を実現した」と説明していた。
ACT1210Eシリーズのサイズは3.2×2.5×2.5mmと小型で、使用温度範囲は−40℃〜+125℃。自動車向け受動部品の信頼性規格AEC-Q200に準拠し、金属端子と巻線ワイヤをレーザー溶接した構造によって、高い熱衝撃耐性を備えるのも特長だ。
ACT1210Eシリーズのコモンモードインダクタンスは(100kHz、100mVにおいて)240μH(誤差:−20%〜+50%)、直流抵抗は最大4.1Ω、絶縁抵抗は最小10MΩ。定格電流は最大70mA、定格電圧は最大80Vだ。サンプル価格は1個165円(税別)で、当初は月産5万個を予定している。
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