ルネサス、「クイックコネクトスタジオ」を開発:ベースは「クイックコネクトIoT」
ルネサス エレクトロニクスは、クラウドベースの設計プラットフォーム「クイックコネクトスタジオ」を開発、提供を始めた。システム設計者は、これを活用することで製品開発の期間や労力を大幅に軽減できるという。
自動的にソフトウェアをビルド&コンパイル
ルネサス エレクトロニクスは2023年3月、クラウドベースの設計プラットフォーム「クイックコネクトスタジオ」を開発、提供を始めた。システム設計者は、これを活用することで製品開発の期間や労力を大幅に軽減できるという。
クイックコネクトスタジオは、クラウド上のマイコンボードやセンサー、通信ボードといった機能ブロックを、ドラッグ&ドロップで配置・接続すれば、自動的にソフトウェアを生成し、コンパイルすることができるもの。コードの記述も不要であり、ハードウェアとソフトウェアの開発を同時に行うことが可能となった。第1弾として「RAマイコン」と各種センサー、コネクティビティ機能から提供を始める。
クイックコネクトスタジオで自動生成されたシステムプロジェクトは、ビルド済みのバイナリーあるいは、フルソースコードのプロジェクトとして、ルネサスの統合開発環境「e2 studio」にインポートすることができる。
クイックコネクトスタジオのベースとなっている「クイックコネクトIoT」は、PmodやArduino、MIKROEなどの標準インタフェースを備えたハードウェアプラットフォーム。システム設計者は、標準コネクターを用いて、MCUやMPU、センサー、コネクティビティ用ボードをシームレスに接続することが可能となっている。
ルネサスは、ドイツ・ニュルンベルクで開催される「embedded world 2023」(2023年3月14〜16日)の自社ブースにおいて、クイックコネクトスタジオのデモを行う予定。
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