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0.9nm厚のアモルファスシリカナノシートを合成次世代の電子デバイスなどに応用

名古屋大学の研究グループは、厚みが0.9nmという「アモルファスシリカナノシート」の合成に成功した。次世代の電子デバイスやエネルギー分野への応用に期待する。

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固体の界面活性剤を層状固体のまま鋳型として利用

 名古屋大学大学未来材料・システム研究所の山本瑛祐助教と長田実教授らによる研究グループは2023年3月、厚みが0.9nmという「アモルファスシリカナノシート」の合成に成功したと発表した。次世代の電子デバイスやエネルギー分野への応用に期待する。

 アモルファスシリカのナノシートは、機械的特性に優れ、広いバンドギャップを示すことから、さまざまな分野でその活用法が期待されている。しかし、アモルファスシリカの場合、層状化合物を剥がすという一般的な手法でナノシートを合成するのは極めて難しかったという。

 研究グループは今回、アモルファスシリカナノシートを合成するための新たな方法を検討した。それは、固体の界面活性剤を層状固体のまま鋳型として用い、その隙間でアモルファスシリカを析出させてから剥がす方法である。

 界面活性剤を鋳型としたナノ材料の合成ではこれまで、界面活性剤を一度溶かしてミセルとし、無機種と協奏的に自己集合させた鋳型を用いてきた。これに対し今回は、界面活性剤固体を鋳型として用いたのが従来とは異なる点である。

 新たな方法で合成したアモルファスシリカの厚みを、原子間力顕微鏡(AFM)で測定した。この結果、0.9nmという極めて薄いアモルファスシリカナノシートを合成することに成功した。しかも、アモルファスシリカナノシートが極めて安定に分散したコロイド溶液も得られており、数カ月たっても凝集しない高い分散安定性を示すことを確認した。1nmレベルで厚さを制御した極薄膜に1Vの電圧を印加したところ、電流密度は10-9Acm-2となり、優れたリーク電流特性を示すことが分かった。

左は界面活性剤固体を鋳型として用いたアモルファスシリカナノシート合成のイメージ図、中央はAFM像、右はアモルファスシリカナノシートが分散したコロイド溶液の外観
左は界面活性剤固体を鋳型として用いたアモルファスシリカナノシート合成のイメージ図、中央はAFM像、右はアモルファスシリカナノシートが分散したコロイド溶液の外観[クリックで拡大] 出所:名古屋大学

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