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2023年3月期第3四半期累計 国内半導体商社 業績まとめ19社が増収増益

半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:21社)の2023年3月期(2022年度)第3四半期累計(2022年4〜12月)業績は、集計対象の21社19社が増収増益となった。

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 半導体や電子部品、電子機器などを扱う主要な国内半導体/エレクトロニクス商社(集計対象:21社)の2023年3月期(2022年度)第3四半期累計(2022年4〜12月)業績は、集計対象の21社20社が増収と、好調ぶりが目立った。また、20社が増益だった。

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 2022年度第3四半期までの世界情勢は、米国のインフレおよび金融引き締めの影響による景気減速や米中貿易摩擦、ロシアのウクライナ侵攻の長期化に伴うエネルギー価格の高騰、中国のロックダウンなど、先行き不透明な状況が継続した。日本では、コロナ禍は長引くものの、行動制限の緩和や政府による景気刺激策などによって、景気は緩やかに持ち直している。エレクトロニクス業界は、主にスマートフォンやPC向けでメモリや最先端品などの需要が減速した一方、自動車や産業機器向けなどは引き続き好調だった。半導体/電子部品の世界的な供給不足についても、車載や産機関連などの一部の製品を除き、需給改善の傾向が見られている。また、急速に進んだ円安がプラスに働いた企業も多く、集計した21社のうち19社が売上高、営業利益ともに前年を上回る“増収増益”を達成した。

国内主要半導体/エレクトロニクス商社2023年3月期第3四半期累計業績
会社名 売上高
(百万円)
売上高
前年比(%)
営業利益
(百万円)
営業利益
前年比(%)
マクニカホールディングス 768,004 37.8 45,294 78.5
加賀電子 452,221 28.2 26,006 77.4
レスターホールディングス 367,930 24.2 12,976 114.0
トーメンデバイス 332,246 ▲3.3 10,779 20.6
リョーサン 243,971 26.1 11,671 76.2
菱電商事 194,716 17.3 6,991 51.8
エレマテック 184,905 27.1 10,030 77.3
東京エレクトロンデバイス 175,896 37.5 10,409 119.9
伯東 175,039 25.5 10,982 78.3
立花エレテック 168,642 21.0 7,248 64.3
丸文 163,236 35.0 8,711 117.3
萩原電気ホールディングス 134,233 19.4 4,224 44.8
新光商事 133,174 44.7 5,280 162.1
サンワテクノス 131,130 20.1 5,421 63.9
三信電気 126,082 41.3 5,487 133.2
たけびし 72,474 26.2 3,049 44.0
カナデン 70,317 3.1 2,127 72.5
グローセル 50,930 1.7 1,199 36.4
協栄産業 45,673 9.0 1,325 56.5
イノテック 28,122 0.6 1,430 ▲38.1
高千穂交易 16,934 14.5 930 49.5
EE Times Japan編集部調べ/2023年2月15日時点

 集計対象21社のうち、最も売上高規模が大きかったマクニカホールディングスも増収増益だった。同社の集積回路および電子デバイス関連事業は、注力市場である産業機器市場や車載市場で、生産の高度化/自動化を目的とした設備投資が継続。産機市場ではFA機器やロボット、計測機器および半導体製造装置への設備投資があり、アナログICやその他標準ICの需要が大幅に増加した。車載市場も、電気自動車(EV)化や高度な自動化/電動化進行による需要が引き続き好調だった。この他、通信インフラ市場、OA/周辺機器市場や民生機器市場も全て堅調に推移。円安の好影響もあり、結果として同事業の売上高は前年同期比40.0%増の6973億円、営業利益は同118.7%増の407億円で大幅な増収増益となった。

 加賀電子の電子部品事業は、部品販売ビジネスでは、半導体/電子部品の需給状況が改善されてきたことから、広範な業界への販売が高水準で推移した。依然として供給不足が続く車載/産機関連の顧客向けには、「独立系商社としての調達力の強みを生かした販売物量の確保や代替製品の提案などに精力的に取り組んだ」(同社)としている。EMSビジネスは、車載関連および医療機器関連などを中心に、主要顧客向けの販売がいずれも大きく伸長した。さらに円安の好影響もあり、同事業の売上高は前年同期比30.2%増の4056億円、営業利益は同79.5%増の233億円になった。

 トーメンデバイスは、主要取扱い製品であるメモリの価格下落による影響を受けた。データセンターストレージ向けNAND型フラッシュメモリや、国内ではSiP(System in Package)ビジネスおよびファウンドリービジネスなどの売り上げが拡大したものの、PC向けDRAMやスマホ向け高精細カメラ用CMOSイメージセンサー、テレビ/モニター向け液晶パネルおよびスマホ向け有機ELなどの売り上げが減少。結果、売上高は前年同期比3.3%減の3322億円で着地した。一方、為替の影響から売上総利益が増益となったこと、価格下落の環境の中でも一定に利益を確保したことなどから、営業利益は同20.6%増の107億円となっている。

 各社の2023年3月期通期の業績予想については、半導体/電子部品の需給動向やウクライナ情勢、原材料の高騰、為替変動など先行き予断を許さないものの、増収を予想する企業が19社、増益予想も19社に上っている。


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