ST、デバッグ/プログラミング・プローブを発表:STM32用アプリ開発に最適
STマイクロエレクトロニクスは、高い精度で電力を測定できるSTM32マイコン用のインサーキット・デバッグ/プログラミング・プローブ「STLINK-V3PWR」を発表した。
nA〜500mAの電流を最大±0.5%の精度で測定可能
STマイクロエレクトロニクスは2023年4月、高い精度で電力を測定できるSTM32マイコン用のインサーキット・デバッグ/プログラミング・プローブ「STLINK-V3PWR」を発表した。
STLINK-V3PWRは、グラフィックツール「STM32CubeMonitor-Power」で直接サポートされている。これにより、システムの消費電力をリアルタイムで可視化し、設計変更などに伴う電力効率の改善効果を解析することが可能である。
具体的には、nAレベルから500mAまでの電流を、最大±0.5%の精度で測定することができる。また、USBケーブルを用い最大2Aの電流を測定対象のシステムに供給することができる。このため、電源を別途用意する必要がない。
STLINK-V3PWRは、Arm Keil開発ツールやIARの統合開発環境(IDE)にも対応している。コードの実行と消費電力の測定を同期させれば、電力プロファイルを最適化できるという。
さらに、100nA〜50mAの動的な電流測定を可能にするプログラマブルな電源ソース「STM32 Power Shield(X-NUCLEO-LPM01A)」と、STLINK-V3PWRを組み合わせることで、開発ツールキットの解析機能をさらに強化することが可能となる。
STLINK-V3PWRは、シングルワイヤーデバッグ(SWD)インタフェースを備え、アプリケーションボード上のSTM32マイコンと通信することができる。仮想COMポートインタフェースとマルチパスブリッジも搭載しており、SPI/UART/I2C/CAN/GPIO通信によるホストPCとマイコンの通信も可能だ。STLINK-V3PWRの価格は93.10米ドルで、STのeSToreから入手することができる。
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