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AGC、EUVマスクブランクスの生産能力を増強:2025年には現在の約30%増へ
AGCは、EUV露光用フォトマスクブランクス(以下、EUVマスクブランクス)の生産能力を増強する。AGCグループにおけるEUVマスクブランクスの生産能力は、2025年に現在より約30%増えるという。
EUVマスクブランクス事業、2025年に400億円以上を目指す
AGCは2023年5月、EUV露光用フォトマスクブランクス(以下、EUVマスクブランクス)の生産能力を増強すると発表した。AGCグループにおけるEUVマスクブランクスの生産能力は、2025年に現在より約30%増える。微細化が進む先端半導体の生産拡大に対応するのが狙い。
生産能力を増強するのは、100%子会社のAGCエレクトロニクス(福島県郡山市)。2024年1月より稼働し、段階的に製造ラインを増強する。AGCは、EUVマスクブランクス事業に対し、積極的な設備投資を行う計画。これにより、2025年には同事業で売上高400億円以上を目指す。なお、今回の生産能力増強は、経済産業省による「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の採択事業となっている。
AGCが増産投資を行うEUVマスクブランクスは、低膨張ガラス基板の表面に複数の組成から成る膜を積層したもの。欠陥がほぼゼロで、極めて高い平坦度が求められている。EUVフォトマスクは、この表面に半導体チップの回路原版を形成した部材である。
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