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ニデック、ルネサスとの協業で次世代E-Axleの勝機を狙う:中国市場でのシェア拡大見据え(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスとニデックは、EV(電気自動車)向けの次世代E-Axleを実現すべく、PoC(Proof of Concept)を共同開発する。両社は2023年6月6日の記者説明会で、協業の背景について説明した。
必要な半導体を最適な形で提供
ルネサス 執行役員 兼 ハイパフォーマンスコンピューティング・アナログ&パワーソリューショングループ 共同ジェネラルマネージャーのVivek Bhan氏は、今回の協業の狙いについて「PoCを共同開発することで、次世代E-Axleの開発において、ニデックが必要とする半導体製品を最適な形で販売できる」とし、「ルネサスは、デジタル半導体、アナログ半導体、ソフトウェアなどポートフォリオが広い。次世代E-Axleにおいても、すべてとは言わないが、大部分の半導体製品は提供可能だ。パワー半導体については、生産能力と製品群を拡張するために、生産ライン立ち上げを含めた投資を行っている」と続けた。
半導体を安定調達できる体制を構築
大村氏は、20222年5月に設立した半導体ソリューションセンターの活動を振り返った。「ニデックループには、半導体関連の企業が4社ある。まずは、ニデックグループとして半導体の集中購買を目指し、長期供給契約(LTA)のスキームを確立した。また、半導体の安定確保のためには、技術を理解した上で必要な半導体をサプライヤーに伝えるRFI(情報提供依頼書:Request for Information)/RFQ(見積依頼書:Request for Quotation)を書く必要があると考え、人材育成に注力している」とコメントした。
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