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時価総額1兆ドル超え、生成AIブームに乗るNVIDIACOMPUTEX 2023でCEOが登壇(3/3 ページ)

生成AIの世界的ブームの波に乗り、NVIDIAの時価総額は1兆ドルを突破した。同社CEO、Jensen Huang氏は2023年5月、「COMPUTEX TAIPEI 2023」の基調講演で登壇し、生成AIの持つ可能性や、その基盤として必要となる最新製品について語った。

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ニーズの多様性に応える、モジュール式リファレンスアーキテクチャ

 基調講演の主なメッセージは、高速コンピューティングのニーズの多様性、そして、データセンターはコストを抑えながら、コンピューティング能力の向上と二酸化炭素排出量削減という要件を満たすことがより必要になっているということだった。

 アプリケーションの多様性に対応するために、Huang氏は、データセンター向けサーバの仕様「NVIDIA MGX」を発表した。モジュール式リファレンスアーキテクチャであるMGXによって、システムメーカーは、幅広いAIや高性能コンピューティング、「Omniverse」アプリケーションに適合する100を超えるサーババリエーションを迅速かつコスト効率よく構築できるようになるという。また、モジュール設計によって、システムメーカーは、各顧客固有の予算や電力供給、熱設計、機械的要件に、より効率的に対応できるようになるとしている。

 MGXでは、システムメーカーは、サーバシャシーに搭載する高速コンピューティング向けに最適化された基本的なシステムアーキテクチャの構築から始め、次にGPUとDPU、CPUを選択する。設計のバリエーションによって、HPCやデータサイエンス、LLM、エッジコンピューティング、グラフィックスとビデオ、エンタープライズAI、設計とシミュレーションなど、独自のワークロードに対応できるという。AIトレーニングや5G(第5世代移動通信)などの複数のタスクを1台のマシンで処理することができ、次世代のハードウェアへのアップグレードも "スムーズに"行える。MGXは、クラウドやエンタープライズデータセンターにも簡単に統合可能だという。

 Huang氏は、「ASRock RackとASUS、GIGABYTE、Pegatron、Quanta Cloud Technology(以下、QCT)、SupermicroはMGXを採用することで、開発コストを最大4分の3削減し、開発期間を3分の2短縮してわずか6カ月にできる」と述べている。QCTとSupermicroは2023年8月に、MGXを採用した設計を最初に市場投入する予定だという。

 COMPUTEX TAIPEI 2023で発表されたSupermicroの「ARS-221GL-NR」システムはGrace CPUスーパーチップを搭載する。また、同じく同展示会で発表されたQCTの「S74G-2U」システムはGH200 Grace Hopperスーパーチップを搭載している。さらに、ソフトバンクは、日本全国に複数のハイパースケールデータセンターを展開し、MGXを使用して生成AIと5Gアプリケーション間でGPUリソースを動的に割り当てる予定だという。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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