“肌触り”を計測し、美容ケアの効果を可視化:ショッカク シリーズ
触覚センサーの開発/提供を行うタッチエンスは、「電子機器トータルソリューション展2023」(2023年5月31日〜6月2日)に出展し、指先から全身までの触覚情報を可視化するセンサー「ショッカク」シリーズを展示した。
触覚センサーの開発/提供を行うタッチエンスは、「電子機器トータルソリューション展2023(JPCA)」(2023年5月31日〜6月2日/東京ビッグサイト)に出展し、用途別に開発した触覚センサー「ショッカク」シリーズを展示した。
“世界初”手触りを計測するセンサー
同社は、対象物をなぞることで表面の凹凸や摩擦を感知する「ショッカクプローブ」を展示した。同技術は、香川大学工学部 高尾研究室が中心となり取り組んでいる科学技術振興機構(JST)のCRESTプロジェクトの成果である「微小機械電子システム(MEMS)触覚センサーおよび手触り感の評価方法」に関する技術がベースとなっている。担当者によると、手触りを計測するセンサーは「世界初」だという。
会場では、さまざまな質感のモノの上でショッカクプローブを動かし、質感の違いをディスプレイ上に映すデモが行われた。担当者は「ショッカクプローブは、人間の肌や髪質を確認することもできる。美容ケアの使用前後で凹凸や摩擦を確認することで、利用者に合った美容品を選ぶことも可能だ」と語った。
スポンジでヒトの皮膚感覚を再現
「ショッカクキューブ」は、スポンジ型の柔らかい圧力センサーだ。医療用や介護用のベッドに組み込むことで、患者の寝姿勢や床ずれを感知できる。その他、ロボットの外装や自動車のシートなど、柔軟性が求められる場所での使用を想定している。
会場では、ショッカクキューブを指圧することで、ランプが光るデモが行われた。光るランプの場所は、ショッカクキューブに対応していて、圧力の強弱によって色が異なる。
また、ゴルフクラブ(アイアン)にショッカクキューブを埋め込み、クラブを握る強さを把握できるというデモも行われた。担当者は「ショッカクキューブは、スポーツ用品に組み込むことで、今まで感覚的に行われていた“力加減”を可視化できる。利用者は、可視化されたデータを使い、プロと比較することで効率的な練習が可能になる」と説明した。
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