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酸化イリジウムガリウム採用のSBD、23年内にもサンプル出荷へ酸化ガリウムパワーデバイスの開発に進展

FLOSFIAは、「TECHNO-FRONTIER 2023」に出展し、最新の研究開発の成果を説明した。p型半導体「(IrGa)2O3(酸化イリジウムガリウム)」を用いたSBD(ショットキーバリアダイオード)は2023年内のサンプル出荷を目指していて、n型半導体を使用した酸化ガリウムSBDは同年内に量産開始を予定している。【訂正あり】

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 京都大学発のベンチャー企業であるFLOSFIAは、「TECHNO-FRONTIER 2023」(2023年7月26〜28日/東京ビッグサイト)に出展し、最新の研究開発の成果を披露した。

 同社は、ミスト(霧)を活用して薄膜を原子層レベルで積層していく成膜技術「ミストドライ法」や、同製法を使用した酸化ガリウム(Ga2O3)パワーデバイスを開発している。2023年3月には、p型半導体である酸化イリジウムガリウムの実用化に向け、JSRと共同で新たなイリジウム系成膜材料を共同開発したと発表した。

 同社 営業部 エバンジェリストの井川拓人氏は、「FLOSFIAは、MOSFETや、JBS(ジャンクションバリアショットキー)構造を用いたSBD(以下、SBD)の開発に必要なp型半導体『酸化イリジウムガリウム(α-(IrGa)2O3)』の開発を進めてきた。今回、材料分野に強みを持つJSRと共同開発したミスト原料(イリジウム系成膜材料)を使い、FLOSFIAのミストドライ法で成膜したところ、酸化イリジウムガリウムの開発に成功した。その後、安定生産の見通しも立ってきているため、酸化イリジウムガリウムを用いたSBDの2023年内のサンプル出荷を目指して準備を進めている」と語った。

「GaO SBD」は、2023年内に量産開始予定

 FLOSFIAは、「TECHNO-FRONTIER 2022」(2022年7月20〜22日/東京ビッグサイト)にも出展し、Ga2O3を使用したSBDを搭載した評価ボードを展示していた。なおFLOSFIAは、Ga2O3を用いたSBDを「GaO*) SBD」として製品化している。

*)「GaO」はFLOSFIAの商標登録である。

 GaO SBDの進捗について同氏は、「n型半導体を使用したGaO SBDの量産開始時期は、当初予定していた 2022年内より少々後ろ倒しになっているものの、2023年内には量産を開始できる体制が既に整っている」と述べた。会場では、GaO SBDのサンプルが展示された。

【訂正:2023年8月8日20時45分 「GaO」はFLOSFIAの商標登録なので、それが分かるように書き換えています】

GaO SBDのサンプル
FLOSFIAのGa2O3 SBDである「GaO SBD」のサンプル[クリックで拡大]

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