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鳥取工場の液晶パネル生産を25年3月に終了、JDI:需要増の見込み薄く
ジャパンディスプレイ(JDI)が、鳥取工場での第4世代液晶パネル生産を2025年3月に終了する。生産終了後、同工場は戦略拠点として事業を継続する予定だ。
ジャパンディスプレイ(以下、JDI)は2023年8月2日、同社の鳥取工場(鳥取県鳥取市)における液晶パネルの生産を2025年3月に終了すると発表した。鳥取工場では、アモルファスシリコン(a-Si)技術に対応した第4世代(ガラス基板のサイズは680mm×880mm)の液晶パネル生産ラインで車載用製品の製造を行っている。
生産終了後は、同工場内にあるAutoTech事業部の開発、設計、品質保証等の機能を生かし、車載事業の拡大/発展に向けた戦略拠点として事業を継続する予定だ。所属する約500人の従業員については、雇用を維持し、同拠点または他拠点への配置転換などを予定している。
同社は、生産中止の理由について「a-Si技術は既に成熟した技術のため、他社が採用する低温ポリシリコン(LTPS)技術に比べて今後の高性能化の見込みが薄く、年々需要が減少している」ことを挙げる。車載分野で使用される液晶パネルの大型化が進む中、JDI 茂原工場(千葉県茂原市)の第6世代(1500mm×1850mm)の生産ラインに比べ、生産性や価格競争力の面で劣るとも言及。鳥取工場の生産終了で収益力の向上を図る。
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