2027年までに1.4nmプロセス量産、SamsungはTSMCを追撃できるか:GAAの量産適用では先行
2027年までに1.4nmプロセスノードを立ち上げ、TSMCおよびIntel Foundry Services(IFS)を、大差をつけて引き離すと宣言したSamsung Electronics。2nmプロセスノードに関しては、計画通り2025年に製造できると確信しているという。
Samsung Electronics(以下、Samsung)は、長い間TSMCに大きく後れを取った2番手に甘んじてきたが、2027年までに1.4nmプロセスノードを立ち上げ、TSMCおよびIntel Foundry Services(IFS)という2つの競合を、大差をつけて引き離すと宣言した。2nmプロセスノードに関しては、計画通り2025年に製造できると確信しているという。
1.4nmと2nmの両プロセスノードのチップはどちらも、Samsungが2023年にリリースした3nmチップで他社に先駆けて採用したGAA(Gate-All-Around)技術を使用して製造するという。最大のライバルであるTSMCとIFSは、それぞれ2025年と2024年に商用発売を予定している2nmノードで、FinFETからGAAトランジスタへの移行を予定している。
Samsungはもう1つの設計の大きな見直しとして、1.4nmノードにナノシートを追加し、ナノシートの数を3枚から4枚に増やす計画だという。トランジスタ当たりのナノシート数が増えることで、1.4nmチップはスイッチング能力と動作速度が向上する。さらに、ナノシートが増えると、電流の流れをより適切に制御できるようになり、その結果、発熱が抑えられリーク電流が減少する。
GAAトランジスタは、FinFETよりも小さなトランジスタで高速化を実現することで、FinFETの限界を打ち破る。GAAトランジスタアーキテクチャは、90%はFinFETと類似しているが、水平なナノシートを積み重ねることによって残りの10%に違いが生じる。ナノシートトランジスタは、FinFET技術と比較して、所定のフットプリントに対してより大きな駆動電流を提供する。この高い駆動電流は、ナノシートを積層することで得られる。
前述したように、Samsungは同社が「MBCFET(Multi Bridge Channel FET)」と呼ぶGAAトランジスタを最初に実装した。しかし、プロセスノードの微細化に向けた絶え間ない競争においては、TSMCやIFSに後れを取ってきた。1.4nmプロセスノードにおけるGAAのブレークスルーによって、Samsungはようやく、ナノスケールのロードマップにおいて余裕を手にすることができる。
Samsungが1.4nmチップの量産に着手するのは4年先で、その間には、さまざまなことが起こる可能性があるだろう。それでも、同社は真っ向から勝負を挑み、メガファブ首位の座を巡ってTSMCと争い合っている。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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