UFS Version 4.0準拠の車載用フラッシュメモリ:高速な読み出し/書き込みを実現
キオクシアは、次世代の車載機器に向け、JEDEC標準仕様「UFS Version 4.0インタフェース」に準拠した組み込み式フラッシュメモリ(UFS製品)を開発、サンプル出荷を始めた。
デバイス当たりのインタフェース速度は最大46.4Gビット/秒
キオクシアは2024年1月30日、次世代の車載機器に向け、JEDEC標準仕様「UFS Version 4.0インタフェース」に準拠した組み込み式フラッシュメモリ(UFS製品)を開発、サンプル出荷を始めた。
新製品は、3次元NAND型フラッシュメモリ「BiCS FLASH」とコントローラーを、JEDEC規格のパッケージに集積した。記憶容量として128Gバイト品、256Gバイト品および、512Gバイト品の3タイプを用意した。パッケージは外形寸法が11.5×13mmの153端子BGAで供給する。高速なデータの読み出し/書き込みも実現した。同社前世代品と比べ、シーケンシャルリード速度は約100%増に、シーケンシャルライト速度は約40%増に、それぞれ向上させた。
また、新製品はMIPI M-PHY 5.0/UniPro 2.0仕様に対応しており、理論上は1レーン当たり最大23.2Gビット/秒、ストレージデバイス当たり最大46.4Gビット/秒のインタフェース速度を実現した。さらに、HS-LSS(High Speed Link Startup Sequence)機能をサポートした。これによって、デバイスとホスト間で行うLink Startup(M-PHYとUniProの初期化シーケンス)に必要な時間を、従来に比べ約70%も短縮できるという。
この他、データの信頼性を高めるためのリフレッシュ機能や高度な自己診断機能を搭載した。もちろん、「AEC-Q100グレード2」に準拠し、−40〜105℃の動作温度範囲に対応している。
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