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サンケン電気が23年度通期の業績予想を取り下げ、能登地震受けスイッチング電源製品事業の撤退も発表

サンケン電気は2024年2月6日、2024年3月期(2023年度)の連結業績予想を取り下げた。令和6年能登半島地震で被災した石川サンケンの3工場に関して、生産の回復や損失額の算定などにまだ時間が必要と判断した。

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 サンケン電気は2024年2月6日、2024年3月期(2023年度)の連結業績予想を取り下げると発表した。令和6年能登半島地震で被災した石川サンケンの3工場に関して、生産の回復や損失額の算定などにまだ時間が必要と判断したことが要因だ。

通期予想、「合理的に算定することは困難」

 石川サンケンは、能登半島内に志賀工場と堀松工場(いずれも石川県志賀町)、能登工場(石川県能登町)の3工場を有する、サンケン電気グループのパワー半導体後工程の主力工場だ。今回の震災後、サンケン電気グループはこの3工場の生産再開に向けて復旧活動を進めている。

 堀松、能登の両工場については1月30日に一部生産を再開し、全ラインの稼働に向け復旧活動を継続している。

 一方で、志賀工場は電力回復遅れによって生産再開には時間を要していて、2月中旬の一部再開を目標としている。同工場製品の一部については堀松工場での代替生産の準備を進めていて、2月上旬の生産開始を目指している。

 こうした状況から、同社は、全体的な復旧に必要な生産人員の確保あるいは再開後の生産規模/品質確認/出荷の見通しおよび、建物/設備被害などによる損失額の算定について、まだ時間が必要と判断。「2024年3月期の通期業績予想を合理的に算定することは困難」として2023年11月7日に公表した予想の取り下げを決定した。

 同社は2023年11月7日公表の通期予想で売上高が前年比6.9%増の2410億円、営業利益が同12.7%増の295億円、純利益が同2.8%増の98億円としていた。なお、2024年2月6日、同社が発表した2023年度第3四半期(累計)連結業績(2023年1〜12月)は、売上高が前年同期比10.1%増の1798億2800万円、営業利益が同29.2%増の217億85おお億円、純利益は同30.5%減の44億8200万円だった。

スイッチング電源製品事業から撤退

 サンケン電気は2024年2月6日、スイッチング電源製品事業からの撤退も発表した。製品は2025年6月30日に生産終了し、2025年9月30日には販売も終了する予定。また、同事業の主力生産拠点であるPT. Sanken Indonesiaについても、製品販売終了後に解散する。

 サンケン電気は、「2018年中期経営計画」による構造改革を経て、半導体デバイスに経営リソースを集中。特にパワー半導体を主力事業として成長戦略の実現に取り組んでいる。近年、非戦略市場からの撤退を進めてきた同社だが、今回、部材納期の長期化による在庫リスクの顕在化、各種部材の生産終了に伴う代替対応の高難度化、生産設備の老朽化などから、スイッチング電源製品事業の継続は難しいと判断したという。

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