コラム
“半導体狂騒曲”に飲み込まれず、地域産業も大切にしてほしい:電子機器設計/組み込み開発メルマガ 編集後記
半導体産業は重要ですが、「一番重要」なわけではないと思うのです。
この記事は、2024年2月26日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
※この記事は、「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」をお申し込みになると無料で閲覧できます。
“半導体狂騒曲”に飲み込まれず、地域産業も大切にしてほしい
2024年2月24日に、TSMCの製造子会社であるJASM(Japan Advanced SemiconductorManufacturing)熊本工場の開所式が行われました。日本の関係者に加え、TSMCからは会長Mark Liu氏やCEO(最高経営責任者)のC.C. Wei氏、さらには創業者であるMorris Chang氏までが出席し、そうそうたる顔ぶれがずらりと並んだテープカットの写真を見ると、重要かつ盛大な式典だったことが伺えます。
そして、完成した熊本工場の大きいこと、大きいこと……。写真しか見ていませんがその巨大さは十分に伝わってきます。建設業界の深刻な人材難が取り沙汰される中、これだけの巨大工場が、2022年4月の着工から2年もたたないうちに完成したことに、「日本のプライド」のようなものを感じずにはいられません。関係各所の血のにじむような努力があったのだと思います。
熊本工場とは対照的なのが、TSMCの米アリゾナ第1工場です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 『事前情報』通りに公式発表された、TSMC熊本第二工場
物議を醸した『事前情報』通りの発表となりました。 - Rapidus周りが騒がしい
「お金を出すだけ出して終わり」には、しないことが大切だと思います。 - JASM、材料の国内調達を2030年までに「60%に引き上げ」
半導体関連技術の総合展示会「SEMICON Japan 2023」にて、「日本半導体産業の発展に向けて 半導体を取り巻く先端開発」と題した講演が行われた。本稿では、その中から、Japan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)社長の堀田祐一氏と、Rapidus シリコン技術本部 専務執行役員 シリコン技術本部長の石丸一成氏の講演内容を紹介する。 - TSMCの23年Q4決算は19%減益、売上高の15%は3nm世代に
TSMCが2023年第4四半期の決算を発表した。売上高は6255億3000万ニュー台湾ドルで、前四半期比では14.4%増だった。純利益は2387億1000万ニュー台湾ドルで、前年同期比で19.3%減少した。