短距離無線通信向けワイヤレスSoC、STが発表:サイバーセキュリティ規格に対応
STマイクロエレクトロニクスは、最新のサイバーセキュリティ規格に対応した短距離無線通信向けワイヤレスSoC(System on Chip)「STM32WBA5シリーズ」を発表した。ウェアラブル機器やスマートホーム機器、ヘルスモニター、スマート生活家電などの用途に向ける。
Bluetooth LEやZigbee、Threadなど複数の通信規格に対応
STマイクロエレクトロニクスは2024年3月、最新のサイバーセキュリティ規格に対した短距離無線通信向けワイヤレスSoC(System on Chip)「STM32WBA5シリーズ」を発表した。ウェアラブル機器やスマートホーム機器、ヘルスモニター、スマート生活家電などの用途に向ける。
STM32WBA5シリーズとして今回販売するのは、「STM32WBA54」と「STM32WBA55」。最大動作周波数が100MHzのArm Cortex-M33コアやArm TrustZoneアーキテクチャ、最大1Mバイトのフラッシュメモリなどを1チップに集積した。また、バックグラウンド自律動作モードや柔軟な低消費電力モード、アナログ/デジタル・ペリフェラルなども備えている。
STM32WBA5シリーズは、Bluetooth Low Energy(LE)やZigbee(リリース22/23含む)、Threadなど複数の2.4GHz帯無線通信規格に対応する。Bluetooth LE Audio規格には、一斉同報が可能な新機能「Bluetooth Auracast」も含まれている。なお、RF出力パワーは用途に応じて最大+10dBまで調整できる。
STM32WBAシリーズは、ワイヤレスSoCとしてSESIP(Security Evaluation Standard for IoT Platforms)レベル3というセキュリティ認証を取得している。これによって、STM32WBAワイヤレスSoCを搭載する機器は、「US Cyber Trust Mark」や2025年に義務化されるEUの無線機器指令(RED)にも、容易に対応できるという。
STM32WBA5シリーズは、既にウェブサイトから購入できる。STM32WBAおよび電源やアンテナ調整回路など、外部部品を集積したモジュール製品についても、2024年6月に発表する予定。
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