ニュース
2024年はDRAM/NAND市場が回復へ 需給バランスも正常化:データセンター需要と民生機器買い替えで(2/2 ページ)
市場調査会社のYole Groupは、DRAMおよびNAND型フラッシュメモリ(以下、NAND)の市場分析を発表した。2023年のDRAM/NANDの売上高は供給過剰で価格が下落し2016年以来の低水準となったが、2024年にはデータセンター/民生機器などの需要増と各社の戦略的減産によって需給バランスが正常化し、市場が回復に向かう見込みだという。
2024年のNAND市場は減産で利益率回復へ
Yoleによると、2023年のNANDの年間売上高は前年比33%減で400億米ドルを下回り、営業利益率も−50%まで急落した。売上高は2016年以来の低水準だ。DRAMと同様、供給過剰による価格下落が主因だ。
こうした市況から、2023年第3四半期から各メーカーが減産を実施し、第4四半期には製品価格は17%、営業利益率は−30%にまで回復した。2024年も各メーカーは利益率を健全化するため、工場稼働率の慎重な管理を続ける見込みだ。フル稼働状態は2024年末〜2025年初めごろと見込まれるという。
Yoleは、2024年のNAND市場は回復に向かうと予想する。PCやハイエンドスマホでの生成AI技術の搭載で民生機器向けの需要が高まるほか、データセンター向けのSSD需要も高まる見込みだ。稼働率管理によって各メーカーの在庫過剰は解消されて市場はやや供給不足に傾き、製品価格は2024年を通して上昇していくとみられる。これによって、下半期には業界全体の営業利益率がプラスに転じる可能性もあるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- CHIPS法、次の大型支援獲得はMicronか アナリストの見解
「CHIPS and Science Act」(CHIPS法)に基づく米国政府の半導体企業支援の今後の見込みについて、米国EE Timesがアナリストらに聞いた。アナリストらによると、Micron Technologyが次に大型の支援を獲得する見込みだという。 - 「3D NANDの進化」に必要な要素とは
新興の不揮発性メモリと並行して、3D NAND型フラッシュメモリの開発も続いている。DRAMやSCM(ストレージクラスメモリ)との性能のギャップを少しでも埋めるためにどのような技術開発が進んでいるのだろうか。 - キオクシアとWD、業績改善に向け工場稼働率を9割近くまで引き上げか、TrendForceが分析
TrendForceが、2024年のNAND型フラッシュメモリ市場についての分析を公開した。それによると、キオクシア ホールディングスとWestern Digitalは工場稼働率を90%近くまで引き上げているという。 - Samsungが、「業界初」12層の36GB HBM3E DRAMを開発
Samsung Electronicsが、「業界初」(同社)となる12層の36Gバイト(GB)HBM3E DRAM製品「HBM3E 12H」を開発した。既にサンプル出荷を行っていて、2024年前半の量産開始を予定している。 - 経産省、キオクシア四日市/北上工場の設備投資に2429億円助成
経産省がキオクシアホールディングスとWestern Digitalによる先端3D NANDフラッシュメモリ量産に向けた国内2工場への設備投資などに対し、最大2429億円を助成する。