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「カスタムSoC市場2位」、ソシオネクストの成長戦略と先端SoC開発事例:多分野で「全体設計」手掛ける(2/2 ページ)
ソシオネクストの会長兼社長である肥塚雅博氏が同社の成長戦略や開発事例などについて語った。
ホモジーニアス/ヘテロジーニアス構成の先端SoC開発事例
アプリケーション市場別のビジネス展開を見ると、自動車分野では自動運転やADASのイノベーションが継続。ゾーンアーキテクチャやセンシングSoCに加えハイパフォーマンスコンピューティングの需要も旺盛で商談は引き続き活発だという。また下図の通りスマートデバイス、産業機器、データセンター/ネットワークの各分野でAIについて触れているが、自動車分野も含めてAI活用の拡大に向けたAI処理能力向上などのトレンドが加速しているといい、肥塚氏は、「われれれはビジネスモデル全体で受け止め、事業機会につなげていきたい」と語っていた。
同社は、コンピュータアーキテクチャベースでの各分野での先端SoC開発事例も紹介していた。スマートデバイスやデータセンター/ネットワーク向けでは、ホモジーニアス/ヘテロジーニアス構成の事例を提示(下図)。「アプリケーションによらず顧客の関心は強い。現在はホモジーニアスインテグレーションが多いが、ヘテロジーニアスインテグレーションに関心を示す顧客もいて、今後も増えるだろう」と語っていた。
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