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太陽誘電の23年度決算、営業利益が前期比72%減に 販売価格の影響大きく:24年度は大幅回復を見込む(2/2 ページ)
太陽誘電の2024年3月期(2023年度)通期決算は、売上高が前期比1%増となる3226億4700万円、営業利益は同71.6%減となる90億7900万円だった。販売価格の影響や在庫調整の長期化が主な減益要因となった。
2025年3月期(2024年度)は営業利益、純利益とも大幅回復に
2025年3月期(2024年度)通期の業績は、売上高は前年比9%増となる3500億円、営業利益は同120%増となる200億円、純利益は同32.2%増となる110億円を見込む。福田氏は各セグメントの事業見通しについて、自動車はxEV(電動車)を中心に引き続き堅調に拡大していくと見ている他、情報機器および情報インフラ・産業機器では、前期から継続していた在庫調整が完了し、需要が回復基調に乗るとした。通信機器については、好調だった中国スマートフォンで反動減が見込まれることから、需要は前期の水準よりもやや低いと見ている。
研究開発費については前期から13億円増となる150億円を計画している。設備投資額は同222億円減となる700億円を見込む。太陽誘電は、2021〜2025年度の中期経営計画で3000億円の設備投資計画を進めている。福田氏は2024年度の投資計画について「国内の工場の建屋関連に100億円を使用する計画だ。MLCCやメタル系インダクター、パワーデバイス向けのハイブリッドアルミ電解コンデンサーなど、成長分野での生産能力増強に向けた投資が中心になる」と語った。なお、コンデンサーの工場の稼働率は、2023年度第4四半期は70〜75%で、2024年度第1四半期は80%前後になる見通しだという。
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