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23年度増収減益のミネベアミツミ、24年度は売上高/営業利益ともに「過去最高」へ高付加価値製品が好調で(3/3 ページ)

ミネベアミツミの2024年3月期通期決算は、売上高が前年比8.5%増の1兆4021億円で過去最高を更新した。営業利益は同24.6%減の735億円、純利益は同18.0%減の755億円で増収減益となった。

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24年度業績は売上高/営業利益ともに「過去最高」と予想

 2025年3月期通期(2024年度)の業績は、売上高が前年度比7.0%増の1兆5000億円、営業利益が同36.0%増の1000億円、純利益が同31.4%増の710億円で、売上高/営業利益ともに過去最高を更新すると予想した。

2024年度通期の業績予想
2024年度通期の業績予想[クリックで拡大] 出所:ミネベアミツミ

 セグメント別では、PTは、高付加価値製品の販売数量増加や航空機市場の継続回復を見込み、売上高が前年比11.2%増の2350億円、営業利益が同28.8%増の490億円。MLSは、車載向けのコンテンツグロースやHDD向けモーターのミックス改善などにより、売上高が前年比5.6%増の3900億円、営業利益が同85.4%増の220億円になる予想だ。

 SEは、ミネベアパワーデバイスとの経営統合によるアナログ半導体事業の拡大により、売上高が前年比10.2%増の5450億円、営業利益が同7.2%増の380億円。ASは、車載市場の回復と統合による改善等の効果が通期で影響し、売上高が前年比0.9%増の3250億円、営業利益が同60.4%増の170億円となる見込みだ。

2024年度通期の業績予想(セグメント別)
2024年度通期の業績予想(セグメント別)[クリックで拡大] 出所:ミネベアミツミ

 吉田氏は、2024年度の業績予測について「売上高の好調予想は、エンドマーケットにおける在庫水準の改善によるものだ。営業利益は、増収効果に加え、各セグメントでの原価低減活動を継続すると共に、下半期に向けて市場回復を見込んでいる」と説明した。また、ミネベアミツミ会長兼CEOの貝沼由久氏は、「2024年1月からはさまざまな分野で在庫消化が完了していて、高付加価値製品の収益が向上している。同年4月の営業利益は、当初想定していた38億円を大きく上回る70億円だった」と補足した。

2024年度通期の業績予想(セグメント別)2024年度通期の業績予想(セグメント別) 2024年度通期のセグメント別の業績予想[クリックで拡大] 出所:ミネベアミツミ

 貝沼氏は、中期事業戦略について「目標として掲げる『2029年度に売上高2.5兆円』は、順調に進捗していて、あとはミツミ電機クラスのM&Aができれば達成できると見込んでいる。一方で、課題となるのは『2029年度に営業利益2500億円』の目標だ。こちらについては、セブ(フィリピン共和国)の第二工場の本格稼働を通じて、半導体関連事業を第二の槍(主要事業)として育てていく。今後は特に高付加価値製品に注力していく」と語った。

 また、日立パワーデバイス(現:ミネベアパワーデバイス)との経営統合についても触れ「サイドゲート構造を採用したIGBTで、SiC(炭化ケイ素)にかなり近い性能を出せる技術を持っている。今回の統合により、ミドルパワーやハイパワー電源分野の強化や、今までは難しかったブラシレスの高圧モーターへの参入が可能になる」(同氏)と語った。

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