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SK Hynixは新工場に146億ドルを投資へ HBM市場のゆくえはAI需要で成長(2/2 ページ)

AI(人工知能)半導体の性能を加速させるHBM(広帯域幅メモリ)で業界をリードするSK hynixは、韓国の新工場「M15X」に20兆ウォン(約146億米ドル)以上を投じる予定だという。本稿では、HBM市場の現況とメモリメーカー各社の動向について述べる。

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SK hynixとTSMCは「HBM4」の開発で協力

 2024年4月、SK hynixはTSMCとの間で、次世代HBMの開発/製造ならびに先進パッケージング技術によるロジックとHBMの統合強化について合意したことを明らかにした。このパートナーシップを通じて、SK hynixは第6世代のHBM製品群である「HBM4」の開発を進める計画で、2026年の生産開始を予定している。

 両社はHBMパッケージの底に搭載するベースダイの性能向上を目指している。SK hynixはHBM3E世代までは自社技術でベースダイを製造してきたが、HBM4では限られたスペースに追加機能を組み込めるよう、TSMCの先進ロジックプロセスを適用する計画だ。これによって、性能や電力効率のより幅広い要件に合わせてHBMをカスタマイズできるようになる。

 TSMCによると、同社は長年にわたりSK hynixと強力なパートナーシップを築いてきたという。TSMCのビジネス開発担当シニアバイスプレジデントであるKevin Zhang氏は「われわれは最先端ロジックと最先端HBMの統合でも連携し、世界をリードするAIソリューションを提供していく。次世代のHBM4を見据えながら、顧客に向けて新たなAIイノベーションを解き放てるよう、引き続き密接に協力する」と述べた。両社は、SK hynixのHBMとTSMCの先進パッケージング技術「CoWoS」(Chip on Wafer on Substrate)の統合の最適化を目指している。

Samsung/Micronもシェア拡大を狙う

 アナリストのHandy氏とPatel氏は、AI用途でHBMの代替品はほとんどないということに同意している。Patel氏は「市場にHBMに代わるものはない。LPDDR5XやGDDR7を用いようと試みる向きもあるが、帯域幅がはるかに低い」と述べた。

 GDDRもまたAIプロセッサやGPUとよく組み合わされる高速メモリだが、Handy氏によればこれらのプロセッサの中には内蔵SRAMを使うものもあれば、標準的なDDRやLPDDRでしのぐものもあるという。

 「全ては費用対効果の問題だ。HBMは究極の性能を提供するが、用途によっては許容できない価格になっている」(同氏)

 世界最大のメモリメーカーであるSamsungは、HBM事業でSK hynixに追い付くことを目指している。同社は2月、業界初の12層HBM3E DRAMである「HBM3E 12H」を開発したと発表した。2024年前半までに商業生産を開始することが目標だ。

 韓国での報道によると、SamsungはAMDと4兆ウォン(約29億1000万米ドル)相当のHBM3E供給契約を結んでいて、両社はAI事業でトップライバルのNVIDIAとSK hynixに追い付くことを目指しているという。

 Handy氏によると、SamsungはHBMの生産でリーダーシップを得ようと計画しているという。「Samsungは何としても市場のリーダーになろうとしている。それがSamsungの企業文化で、参入する全ての市場を支配することを狙う。メモリメーカー3位のMicronは、DRAM市場全体における同社のシェアと同程度のシェアをHBM市場でも目指している」とHandy氏は付け加えた。

【翻訳:青山麻由子/田中留美、編集:EE Times Japan】

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