スマホの2台に1台に採用されている「CSP MOSFET」を展示、ヌヴォトン:人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA
ヌヴォトン テクノロジージャパンは、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」(2024年5月22〜24日/パシフィコ横浜)に出展し、小型化と低オン抵抗を両立したCSP(Chip Size Package) MOSFETを展示した。
ヌヴォトン テクノロジージャパン(以下、ヌヴォトン)は、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」(2024年5月22〜24日/パシフィコ横浜)に出展し、CSP(Chip Size Package) MOSFETを展示した。
CSPとは文字通りベアチップ近くまで小型化したパッケージの通称だ。ヌヴォトンは、ウエハーに回路形成した後、そのままパッケージ処理を行い、最後に個々に切り分ける手法をとっている。従来の樹脂パッケージ品と比較して、パッケージの実装面積を小さくできる他、ワイヤを使用しないため、ワイヤインダクタンスやワイヤ関連の故障が発生しないといったメリットがあり、既にスマートフォンやカメラなどの小型電子機器での活用が進んでいるという。
ヌヴォトンのCSP MOSFETは、同社従来の樹脂パッケージ品と比較して、サイズは43%小型化(0.6×0.6mm)しつつ、オン抵抗を0.75mΩ、熱抵抗は59℃/Wに抑えている。担当者は、同社の特長について「CSP MOSFETにおいて、先行して製品の開発/提供を行っている。また、顧客側で用意したCADデータを基に発熱シミュレーションを行うなど、サービス面も強化している」と説明し、実績として「スマホ市場では世界で高いシェアを持っていて、2台に1台には搭載されている」と語った。
新プロセスの研究開発を進め、25年度中に新分野への展開を目指す
ヌヴォトンブースでは、Analog Devices(ADI)の「A2B(オートモーティブ・オーディオ・バス)」技術を使ったオーディオ機器のリファレンスデザインに採用されている同社のCSP MOSFET「KFK9B0463ZL」「KFJ9B0466ZL」を紹介した。
KFK9B0463ZLは、VDS耐圧が40V、オン抵抗が11mΩ(VGS=10V)で、地絡保護用として採用されている。KFJ9B0466ZLは、VDS耐圧が40V、オン抵抗が27mΩ(VGS=10V)で、逆接防止用として採用されている。これにより、ADIのA2B技術を使ったオーディオ機器のリファレンスデザインに占めるMOSFETの実装面積を70%小型化できたという。
今回の出展の狙いについては、「CSP MOSFETの次の販促先として、小型モーターやオーディオ機器など車載搭載機器を検討している。スマホ市場での実績を基に、自動車業界での認知度も広げていきたいと考えている」と述べた上で、「スマートフォンであれば、自社CSP MOSFETが搭載された製品を購入/分解して、実装品としての性能を確認できる。しかし、自動車で同じことをするのは難しい。来場者から、自動車に搭載する場合の課題や要望についての意見を集め、今後の開発方針の参考にしたい」と語った。
今後は、トレードオフの関係にある高耐圧と低オン抵抗の両立に向けた新プロセスの研究開発を進め、2025年度中にスマホ以外の分野への展開を目指すという。
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