ヘッドレストでロードノイズを軽減、消音効果は15dB:人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA
TDKは、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」(2024年5月22〜24日/パシフィコ横浜)に出展し、自動車のヘッドレスト部分に組み込める「消音空間ソリューション」を展示した。
TDKは、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」(2024年5月22〜24日/パシフィコ横浜)に出展し、「消音空間ソリューション」を展示した。自動車のヘッドレスト部分に組み込むことで、搭乗者が感じるロードノイズを低減する。
消音性能は、効果範囲が約20cmで、ロードノイズ(100〜500Hz)であれば15dB下げられる。消音空間ソリューションから離れたり、周波数が高くなったりするほど消音効果は弱くなる。ノイズキャンセル制御の遅延時間は2ミリ秒だ。
消音空間ソリューションは、「消音制御用MEMSマイク」を使って、ノイズキャンセルの対象となるヘッドレスト部周辺の音(ロードノイズなど)を計測し、計測したノイズと逆位相の音波を圧電スピーカーである「消音用ピエゾリスン」から出力することでノイズキャンセルを実現する。また、消音制御用MEMSマイクと消音用ピエゾリスンに最適化したデジタル信号処理を施すことで、低遅延なノイズキャンセルが可能になった。消音用ピエゾリスンは、厚さが0.35mmのシート形状で、従来品の100分の1の薄さ、消費電力は10分の1ほどだという。
担当者は「ロードノイズを完全に消すことは難しいが、同乗者との会話が可能になるレベルでノイズキャンセルが可能だ」と述べた。なお、ヒトの声や音楽などへの影響については「ノイズキャンセルの対象となる周波数より高いため影響はない」と説明した。
TDKは、消音空間ソリューションを体験できる空間「Personal Relaxation Mobility(PERMO)」を用意。筆者も実際に体験したところ、消音空間ソリューションのオン/オフによって、疑似的に流れるロードノイズが小さくなったと感じられた。
現在は、自動車メーカーへの拡販に向けてヒアリングを進めている段階で、実際に体験した人からは「前向きな反応が多い」(担当者)という。
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