ニュース
オンセミ、チェコに最先端のSiC製造施設を設置:複数年で最大20億米ドルを投資
オンセミ(onsemi)は、チェコに最先端のSiC(炭化ケイ素)製造施設を設けると発表した。垂直統合型の製造拠点で、複数年にわたり最大20億米ドル(440億チェココルナ)の投資を計画している。
SiやSiCウエハーの製造能力をさらに強化
オンセミ(onsemi)は2024年6月、チェコに最先端のSiC(炭化ケイ素)製造施設を設けると発表した。垂直統合型の製造拠点で、複数年にわたり最大20億米ドル(440億チェココルナ)の投資を計画している。
SiCベースのパワー半導体は、高耐圧、高耐熱、高放熱といった特長を備え、EV(電気自動車)の性能向上などに貢献することから、急速に需要が高まっている。オンセミはこれまでも、チェコ・ロズノフ市にある工場で、SiCポリッシュドウエハーやSiCエピタキシャルウエハーなどの製造を行ってきた。
2022年9月には同工場でSiCウエハー製造ラインの拡張工事も完了し、増産体制を整えた。同施設では現在、10億個以上のパワー半導体を含む、年間300万枚以上のウエハー生産することが可能だという。新たな投資により、Si(シリコン)やSiCウエハー(ポリッシュドおよびエピを含む)などの製造能力をさらに強化する。
オンセミでは、今回の投資が完了すれば、「年間で2億7000万米ドル(60億チェココルナ)以上は、チェコのGDPに貢献する」と予測している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「日本は有利」、自動車と産機で事業拡大を狙うオンセミ
2022年3月にonsemiの日本法人社長に就任した林孝浩氏に、この1年半の変化や、onsemiの戦略について聞いた。 - オンセミ、位置精度が高い「測位システム」を発表
オンセミは、位置精度が高く電力効率の高い資産追跡システムを、より簡単に構築できる「測位システム」を発表した。Bluetooth Low Energy(Bluetooth LE)技術を活用したシステムで、サブメートルの精度で物体や人物を追跡できるという。 - オンセミ、8Mピクセルの裏面照射型CISを発表
オンセミは、1/1.8型で画素数が8Mピクセルの裏面照射型CMOSデジタルイメージセンサー(CIS)「AR0822」を発表した。過酷な撮影環境にも対応することができるという。 - 政投銀や伊藤忠出資ファンドら、オンセミ新潟工場を買収へ
日本政策投資銀行や伊藤忠商事が出資する投資ファンド、マーキュリアホールディングスは2022年11月1日、同社中核会社のマーキュリアインベストメント(以下、MIC)含む3社が、onsemi子会社であるオン・セミコンダクター新潟との間で、新潟工場(新潟県小千谷市)買収について合意した、と発表した。 - オンセミ、SiCウエハー生産能力を2年間で16倍へ
オンセミ(onsemi)は、チェコ・ロズノフ市にある工場で、拡張を進めていたSiC(炭化ケイ素)の製造ラインが完成したと発表。今後2年間でSiCウエハーの生産能力が16倍に増強されるという。 - オンセミ、SiC単結晶の生産能力を5倍に拡大
オンセミは、米ニューハンプシャー州ハドソンにある工場で拡張工事を進めてきたSiC(炭化ケイ素)の生産施設が完成したと発表した。2022年末までには、SiC単結晶の生産能力を前年に比べ5倍に拡大する。既に2棟目も増築中だという。