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ソシオネクストの24年度1Q、中国向け『特需』終了で減収も営業増益通期見通しは据え置き(2/2 ページ)

ソシオネクストの2024年度第1四半期(1Q)の売上高は前年度比14.1%減の528億円、営業利益は同1.5%増の103億円、純利益は同4.8%減の76億円になった。

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NRE売り上げの52%が3/5nmプロセスに

 プロセス別では、売り上げ/NRE売り上げともに先端テクノロジー向けの比率が高い水準を維持している。特にNRE売り上げについては3〜7nmプロセスが85%となったが、このうち3nmおよび5nmプロセスだけで既にNRE売り上げの52%を占めているという。

プロセス別の売り上げ内訳[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト
プロセス別の売り上げ内訳[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト

 同社は2024年5月に開催した決算説明会において、北米のデータセンター向けで3nm製品の商談が「本格化している」とした。今回、この商談について米山氏は、「第1四半期末までの契約締結には至っていないが、既に多くのエンジニアが出張したり、来てもらったりし、顧客と仕様の検討を始めている」と述べ、遠からず契約締結に至る見通しを示した。その後は2年ほどの開発を経て量産に進む見込みであることから、2026年度ごろには売り上げ拡大に寄与すると想定しているという。

 同社は2024年度、2500億円以上の商談獲得金額を目標としているという。米山氏は、「商談獲得金額2500億円以上は達成可能だと思っているし、やらなくてはいけない。2023年度までは自動車向けがメインだったが、2024年度は北米のデータセンター向け案件を皮切りに、幅広くデータセンター関連もようやく手応えを感じる状態になってきた」と語っていた。

 2024年度第1四半期の設備投資は従来に比べて低めになっているが、米山氏は、「メインはレチクル、IPマクロ投資だが、たまたま開発進行スケジュールの関係で購入が少なかった結果だ。特に開発の中止があったわけではなく、第2四半期以降に表れてくる」と説明。大型投資、先端開発の拡大によって投資が増加している傾向に変わりはないとした。

設備投資[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト貸借対照表。同社はこれまで、棚卸資産残高のグラフにおいて顧客要望先行手配分と通常分を色分けしていたが、顧客要望先行手配分の減少に伴い、今後は合算した形で記載していくという。 左=設備投資、減価償却費とキャッシュフロー/右=貸借対照表。同社はこれまで、棚卸資産残高のグラフにおいて顧客要望先行手配分と通常分を色分けしていたが、顧客要望先行手配分の減少に伴い、今後は合算した形で記載していくという[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト

 在庫水準は顧客要望による先行手配の在庫が大きく減少したことで、全体の棚卸資産残高は219億円にまで減少。通常品保有月数(通常品棚卸資産金額÷次期3カ月平均の製品原価金額見通し)は3.5カ月となった。

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