キオクシアの24年度1Qは売上高が過去最高、純損益も黒字転換:顧客在庫正常化や需要回復が寄与
キオクシアホールディングス(以下、キオクシアHD)は2024年8月8日、2025年3月期(2024年度)第1四半期(4〜6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比70.6%増の4285億円と四半期として過去最高を更新した。純利益も前年同期の1031億円の赤字から、698億円の黒字に転換した。
キオクシアホールディングス(以下、キオクシアHD)は2024年8月8日、2025年3月期(2024年度)第1四半期(4〜6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比70.6%増の1064億円増の4285億円と四半期として過去最高を更新した。需給バランス改善による販売単価上昇、フラッシュメモリ需要の回復による出荷量の増加、円安の進行が主な要因だ。営業利益は前年同期の1308億円の赤字から今四半期は1259億円の黒字に、純利益も同1031億円の赤字から、今四半期は698億円の黒字に転換した。
2024年度第1四半期業績は、前四半期と比較しても売上高が1064億円増、営業利益が820億円増、純利益が595億円増で増収増益だった。
キオクシアHDは市場動向および見通しも説明。顧客在庫の正常化や需要の回復によって、需給バランスはほぼ均衡しているという。
また、PC向け需要については回復が弱含んでいるものの、スマートフォン向け需要は緩やかに回復していて、「今後、オンデバイスAI(人工知能)の普及、メモリ搭載容量の増加およびPCのオペレーティングシステム更新に伴う買い替え需要も期待もされる」としている。データセンター/エンタープライズSSDの需要についても、顧客の在庫水準正常化やAI需要によって伸長していて、「AI用途での高密度/高容量のSSDに加え、一般サーバの需要回復も見込まれる」という。
キオクシアHDは、「AIの普及および、搭載容量の増加傾向によるフラッシュメモリ市場の中長期的な成長トレンドについての見方に大きな変化はない」と述べていて、需要動向に沿った生産水準の維持と、販管費/製造コストの管理による効率的な事業運営に努めるとしている。
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