「Raspberry Pi Pico 2」が登場、独自の新マイコン搭載:Pico 2は5米ドル(2/2 ページ)
英国Raspberry Pi財団は2024年8月8日(英国時間)独自開発の最新マイコン「RP2350」を搭載した新世代マイコンボード「Raspberry Pi Pico 2(以下、Pico 2)」を発表した。ハードウェアおよびソフトウェアの互換性を保ちつつ、性能と機能を向上した。英国では既にPico 2の販売を開始していて、価格は5米ドルだ。
セキュリティ機能の強化
さらに、Cortex-M用の「Arm TrustZone」を中心に、署名付きブート、8KバイトのアンチヒューズOTP(One Time Programmable:1回書き込み可能)メモリ、SHA-256アクセラレーター、ハードウェア真性乱数生成器(TRNG)、高速グリッチ検出器を含む包括的なセキュリティアーキテクチャも備えていることも特長だ。
パッケージについては、RP2040は7mm×7mmのQFN56パッケージのみだったが、今回は30のGPIOを備えた7mm×7mmのQFN56パッケージ(RP2350A)または、48のGPIOを備えた10mm×10mmのQFN80パッケージ(RP2350B)で提供する方針。さらに、それぞれ2MBのスタックドインパッケージQSPIフラッシュを搭載したバージョン(RP2354AおよびRP2354B)も用意するという。なおチップでの提供については、2024年末までの量産開始を予定しているという。
Pico 2
今回発売したPico 2はRP2350Aおよび、従来品(Pico)の2MBから4MBに倍増したオンボードQSPIフラッシュ搭載したマイコンボードだ。フォームファクターはPicoと互換性がある。インタフェースは26の多目的GPIOピン(ADCとして使える4ピン含む)、USB Micro-B、デバッグピン(SWD)。動作電圧は1.8〜5.5Vdc、動作温度範囲は−20〜85℃だ。
また、Infineon Technologiesの無線モジュール「CYW43439」を搭載する無線対応の「Pico 2 W」についても2024年末までに提供を始める予定だという。
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