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プラズマ加工による半導体素子の劣化を定量評価:素子の性能と信頼性の向上に寄与(2/2 ページ)
産業技術総合研究所(産総研)は名古屋大学低温プラズマ科学研究センターと共同で、プラズマ加工による半導体素子へのダメージ量を、簡便かつ短時間で定量評価することに成功した。
酸化膜が厚いとダメージに
実験により、酸化膜が厚いと光子がシリコン表面近傍のダメージを形成する主な要因となることが明らかになった。一方、残膜が数nm程度と薄い場合、CF3+イオンはシリコン表面近傍に達してダメージを形成する。CF3活性種は酸化膜への侵入が制限されるため、酸化膜加工の終端付近だけでシリコン表面にダメージが形成されるという。
研究チームはダメージの修復に向け、水素(H2)ガス雰囲気中で加工後のウエハーに熱処理を施し、キャリア寿命の変化を測定した。そして、熱処理後はキャリア寿命が長くなり、ダメージが修復されていることを確認した。残膜が厚い場合、ダメージの修復は熱処理温度が300℃でほぼ完全に修復された。逆に、温度が400℃になるとキャリア寿命は短くなった。残膜が薄い場合、温度上昇でキャリア寿命は回復するが、400℃まで上げてもダメージは残った。
これらのデータから、ダメージを修復するには、熱処理の温度を適切に管理するとともに、シリコン上の膜厚が約10nm以下と薄い場合、イオンや活性種に由来する不純物の低減が重要であることを明らかにした。
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