埋もれていた微小信号が見える 14ビットADC搭載汎用オシロ:キーサイト「InfiniiVision HD3シリーズ」(2/2 ページ)
キーサイト・テクノロジーが、帯域幅200M〜1GHzの汎用オシロスコープの新製品「InfiniiVision HD3シリーズ」を発表した。14ビットA-Dコンバーター(ADC)を搭載し、低いノイズフロアを実現したことで、これまで見えなかった微小信号を特定できるようになる。
異常信号を検知して自動解析する「フォルトハンター機能」
異常な波形を検知する「フォルトハンター機能」も搭載した。1回目の掃引後、自動でしきい値が設定され、グリッジやラントなどを自動解析する。「ロングメモリの課題は、不具合(異常波形)をエンジニア自身が解析しなければいけないことだった。フォルトハンター機能を使えば、その手間を省くことができる」(キーサイト)
多くの機能をソフトでアップグレード可能
InfiniiVision HD3シリーズは、帯域幅やメモリ、ファンクションジェネレータ機能など、チャンネル数を除く多くの機能をソフトウェアでアップグレードできる。「200MHzの機種にも、1GHz用のアンプを搭載している。将来的に、より高性能な機能が必要になった場合も、投資を抑えてオシロを最適化できる」(キーサイト)
InfiniiVision HD3シリーズの価格は、2チャンネル/帯域幅200MHzの機種が137万2344円(本体価格)。500MHz対応のパッシブプローブは標準で付属している他、1GHzのパッシブプローブ(約17万円)を、アダプター無しで使用することも可能だ。
電子機器/システムは、高性能化、低消費電力化、小型化を実現しつつ、低コスト化も求められている。1.5Vなどの低電圧電源では、電圧の許容範囲が非常に小さくなっていて、より小さな信号を確認できるかが課題になっている。「低コスト化、低消費電力化を進める中でも性能を担保するためには、オシロでしっかりと性能を確認することが重要になる。InfiniiVision HD3シリーズは、そうしたニーズに応えるための製品だ。基本性能が大きく変わったInfiniiVision HD3シリーズでは、これまで見えなかった信号が見えるようになる。これは大きな訴求ポイントになるのではないか」(キーサイト)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Wi-Fi 7の機能を網羅的に備えたネットワークエミュレーター
キーサイト・テクノロジーは「ワイヤレスジャパン 2024」(2024年5月29〜31日/東京ビッグサイト)に出展し、Wi-Fi 7対応のネットワークエミュレーター「E7515W UXM」を展示した。1台でWi-Fiステーションとアクセスポイントテストの双方に対応する。 - 「5Gではビジョンだったもの」が現実に キーサイトが6Gの可能性を強調
キーサイト・テクノロジーは2024年2月、都内で記者説明会を開催。Keysight Technologies(以下、Keysight)で6G Program Managerを務めるRoger Nichols氏が、6G(第6世代移動通信)の標準化の最新情報や、6G実現で鍵となる技術などについて語った。 - V字モデルの「評価フェーズ」で車両サイバーセキュリティテストが可能に
キーサイト・テクノロジーは2024年1月に開催された「第16回 オートモーティブ ワールド」で、車両サイバーセキュリティの脆弱性を早期に特定するテストソリューション「Automotive Cybersecurity Test Platform」のデモを行った。車両サイバーセキュリティの国際基準である「UN-R155」のレポートを作成できるテスト管理ソフトウェアと連携することで、自動車のサイバーセキュリティテストを包括的にサポートする。 - IoT機器の脆弱性を3ステップで可視化、キーサイトの検査ツール
キーサイト・テクノロジーは「EdgeTech+ 2023」で、IoT(モノのインターネット)機器におけるセキュリティの脆弱性を容易に可視化できるテストツール「IoT Security Assessment」を展示した。既知と未知、両方の脆弱性を確認できるという。 - 「日本に早くから進出できたのは有利」 Keysight CEO
キーサイト・テクノロジーは、2023年8月29〜31日に都内で開催される同社のプライベートイベント「Keysight World 2023」に合わせて記者説明会を開き、戦略や注目トレンドについて語った。