ニュース
住友ベークライト、中国に半導体封止材の新工場:2025年より本格的に量産開始
住友ベークライトは、中国における半導体封止材の生産拠点である「蘇州住友電木」で新工場が完成し、竣工式を行った。2025年より本格量産を始める予定。
新工場稼働で、中国内における生産能力は1.3倍に拡大
住友ベークライトは2024年9月、中国における半導体封止材の生産拠点である「蘇州住友電木」で新工場が完成し、竣工式を行ったと発表した。2025年より本格量産を始める予定。
同社は、半導体封止材の世界市場で「約40%のシェア」(同社推定)を有するトップ企業。中国市場でも、1997年より現地生産を始め、2021年7月にはラインの増設を行うなど、生産能力を拡大してきた。
今回は、江蘇省の蘇州工業園区内に約6万m2の土地を新たに取得し、工場を建設した。主な生産品目は半導体封止用エポキシ樹脂成形材料である。新工場の稼働により、中国内の生産能力は1.3倍に増えるという。土地や建物、生産ライン、付帯設備などを含め、今回の投資金額は約66億円となる。
住友ベークライトは日本、シンガポール、台湾および、中国の4拠点に半導体封止材の生産拠点を設けている。主要な拠点で生産能力を拡大することにより、顧客に対する供給責任を果たしていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- PSB技術を用いたチップレット集積技術を開発
東京工業大学とアオイ電子らによる共同研究チームは、広帯域のチップ間接続性能と集積規模の拡大を可能にするチップレット集積技術「Pillar-Suspended Bridge(PSB)」を開発したと発表した。 - 住友ベークライト、先端半導体封止材の新生産設備導入
住友ベークライトは2022年9月20日、子会社の九州住友ベークライト(福岡県直方市)に、先端半導体圧縮成形用封止樹脂に適した生産設備を新規導入したと発表した。同生産ラインからのサンプルワークは2022年秋から開始し、約半年後の量産開始を目標としている。 - 半導体材料市場、2029年に583億ドル規模へ
富士経済は、半導体材料について2029年までの世界市場を予測した。これによると、2024年見込みの470億米ドルに対し、2029年には583億米ドル規模に達する。新たなAI(人工知能)搭載機器の登場や、データセンター向けサーバの需要増加などにより、半導体材料市場は拡大が続く。 - 積水化学工業が武蔵工場を増強、台湾にはR&D拠点
積水化学工業は、先端半導体製造工程で用いられる高接着易剥離UVテープ「SELFA」について、国内で生産能力を増強する。また、半導体材料のR&D拠点を台湾に新設することも決めた。これらに関連する投資総額は約50億円を予定している。 - 次は米国で勝負 レゾナックらが次世代パッケージコンソーシアム設立
レゾナックは2024年7月8日、次世代半導体パッケージング分野において、日米の半導体材料/装置メーカー10社によるコンソーシアム「US-JOINT」を設立すると発表した。拠点はシリコンバレーで、半導体メーカーや大手テック企業といった顧客との連携を深める狙いだ。 - 近赤外光を選択的に吸収する有機半導体材料を開発
大阪大学の研究グループは、近赤外光を選択的に吸収する無色透明の有機半導体材料を開発した。近赤外線カメラや有機太陽電池などに応用できる材料の開発につなげていく。